初心者におすすめの四季咲きのバラ。【白いバラ】の上手な育て方!

バラの性質や品種の紹介がまとめてあるサイトは数多くあるのですが、初心者でも育てやすいバラが、どんな風に育っていくのかわかりやすく語られた物に出会ったことがありません。
「初心者向け」と園芸のプロが紹介してくれるバラは、新品種の高価なものが多く、初めてでドキドキしながらトライするには不向きかもしれません。
育てやすさに定評があり、実際に育ててみて育てやすく、高価ではないので初心者にも挑戦しやすく、特別に注意しなくても豪華に育つ、そんなバラを紹介したいと思います。
四季咲きのバラは、春から年末まで花を楽しめます。庭にいつでもバラが咲き続けるととてもうれしくなります。そんな四季咲きのバラの中の「白いバラ」について、おすすめを紹介します。
アイスバーグ
アイスバーグは、バラ愛好家なら必ず1本は育てているといわれているメジャーなバラ。花色はクリーム色がかった白ではなく、ほんのり青さも感じるような白。時折、濃いピンク色の挿し色が入ることがあります。白い花びらが黄色い花芯を中心に幾重にも重なる、円形というより半円形の直径7cmくらいの中輪の花で、たわわに咲き乱れます。
花芯が茶色くなってきたら花殻つみのしごろです。春一番で咲く花の量がとても多いので、花殻つみが面倒になるほど。春先は早めに花殻つみした方がさらに見事な花の量になります。
アイスバーグは3年もすれば人目を惹く見事に咲き誇る大株に育つのに、一番高いバラのコーナーの中にいることはまれです。ちょっとしたバラ苗の売り場には必ずおいてありますが、メインの最高級品種の中ではなく、「お安いですよ、目玉商品です」コーナーにいるのが普通。
ちっちゃすぎないかしら?それに妙に安いし、名前が書いてあるだけでどんなバラなのか何も書いていない・・・そんな販売のされ方をしています。
つる性のものと、木立性のフロリバンダの両方がありますが、フロリバンダもつるのようにフワンフワンと伸びていきます。どちらがおすすめかというと、どちらも大きく育つので、多少はコンパクトになるフロリバンダ種の方。枝分かれの少なめの、長く太いシュートが株元からどんどん伸びてきます。太く長い支え棒やフェンスで広がりを抑えるようにします。
病害虫にも強く、とげがほとんどないので手入れするときに皮手袋なしが可能ですが、葉っぱの付け根にとげが少しあるので、油断しすぎると刺さります。
ある程度は地上部も地下部も大きくなるので、1m四方くらいのスペースが栽培には必要です。通常の肥料はバラ用の化成肥料でよいのですが、花の前の芽だし肥と一番花が咲いた時の肥料は多めに施肥した方が、豪華な花が楽しめます。
夏でも肥料をふんだんに与えると小さめの花が少ない数で咲きますが、休ませるために肥料は少なめにし、秋に涼しくなるころまた肥料を多めに与えて秋花を充実させるのがおすすめです。秋に咲く花は春より数が少なく、若干小ぶりですが発色がよく、花芯が茶色くなるまで少し時間がかかるので一輪ずつを長く楽しむことができます。
スノーグース
現代バラの銘品と名高いイングリッシュローズ「スノーグース」は、小輪のためか、あまり販売されているのに出会える機会がないため、アイスバーグに比べると入手は比較的困難です。デビッドオースチン作出なので、グリーンのマーク付きの鉢に入って売られています。
花が4㎝くらいの小輪のスノーグースは濃いクリーム色のコロンとした蕾をつけ、7部咲くらいまでは花色もクリーム色で、典型的なバラらしい姿をしています。咲き進むと真っ白なポンポン咲きになります。
シュラブローズと言われますが、太めのまっすぐなシュートを長く伸ばすので、つるバラのように広がって咲き誇ります。とげはほとんどないつるんとしたつるですが、葉っぱの付け根にとげがあり、葉っぱが刺さります。
花は一輪一輪咲くのではなく、枝別れしたあちこちの枝先に塊になって咲きます。傷んだ花を一輪ずつ花殻つみするのは困難なほど大量に咲くので、塊全体の花が終わったらその塊を取り除くようにします。
スノーグースは強健種なので、病害虫に強いのですが、とても成長が早いため、鉢植えにするとすぐに根鉢がいっぱいになってしまうので、毎年植え替える必要があります。
ほのかな甘いバラらしい香りも楽しめます。春花よりも秋花の方がクリーム色が濃い目に出ます。ぐんぐん育ちますが、木立性ではなくつるバラのようなので、フェンスやアーチに添わせると美しさが引き立ちます。
スノーシャワープチシャンテ
スノーシャワープチシャンテは、長年栽培していても太くもならず大きくもならないミニバラです。バラは縦に成長していくイメージが大きいのですが、スノーシャワープチシャンテは横に横にと広がって、しかも下に垂れ下がります。
垂れ下がる癖に土がつくと汚れて花色も悪くなってしまうので、ハンギングや背の高い鉢に植えるのが向いています。寄せ植えにも最適なバラとして、園芸店以外にホームセンターなどでも売られています。
スノーグースよりは一回りほど小さめの白い八重咲の花を咲かせます。蕾の時はピンク色をしていて、7部咲くらいまでは花がピンクがかっています。広がったポンポン咲きになると、花びらがとても薄く白い花になります。
太いところでも茎は5mm程度にしかならないので、支え棒で上に向けて支えにくく、好きなように垂れ下がらせているのが自然で美しい花姿になります。
細く小さなとげが茎にいっぱいついているので、お手入れの時に皮手袋は必須アイテムです。
非常に華奢ですが、病害虫に強く、育てやすいバラです。うどんこ病にはなりやすいので、見つけたらベニカスプレーを病巣部分にたっぷりかけておきます。
薬を使いたくないときは、病巣部分を丸ごとカットしておいても、切った部分はあまり目立たず、生育も阻害しないので効果的です。
スノーシャワープチシャンテは、花が枯れてくると自分で花を落とす「修景バラ」なので、メンテナンスは比較的楽。
花びらに水がかかると茶色く変色してしまい、放っておくと隣の花も茶色くしてしまうので、変色した花は早めに取り除いておきます。
ハマナス
ハマナスには白と濃い赤があり、どちらも一重の大きめの中輪の花を咲かせます。「ハマナスって、バラなの?」とよく聞かれますが、ハマナスもバラです。ドッグローズ(犬バラ)とともに、ローズヒップをとるバラとしてよく利用されています。
ローズヒップはバラの実のことで、修景バラ以外のバラなら何でも、花殻つみしないでいるとローズヒップを付けてしまいます。ローズヒップを付けると、バラは実を育てる方に栄養が行ってしまい、花つきが悪くなるのでなるべくつけないように育てます。
ハマナスやドッグローズは原種のバラに近く、無農薬でも病害虫をものともせず(もちろん虫が付きやすくなりますが、それくらいではびくともしないほど元気)、ローズヒップを付けても花をどんどん咲かせることができるので、ローズヒップをとるために活用するには最適です。
ハマナスは立ち木性で、まっすぐに茎をのばし、横からどんどんシュートが伸びてきます。花も大きめなので遠くからでも人目を惹きます。唯一の欠点は、とにかくトゲだらけなこと。細くシャープなとげがどこもかしこもびっしりと生えて、時には革手も突き破ります。
育てやすい反面、自由に伸びさせるわけにもいかず、選定するときは破れてもいい長そでを着て、皮手袋は必須アイテムです。
ローズヒップの大きなオレンジ色の実と、白い花のコントラストが美しく、遠目に見る分は最高ですが、とにかくとげとげなのだけが困りものです。
まとめ
初心者でも育てやすい四季咲きのバラの中で、白いバラのおすすめ品種をご紹介しました。
どのように育つかを考えて、ぴったりの場所に植えると、より育てやすく管理がしやすくなります。
年末の雪が降る中でも四季咲きのバラは花を咲かせてくれます。
バラの咲き乱れる庭造りをはじめてみませんか。
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