はじめての四季咲きのバラ管理法【バラの剪定の仕方を知ろう】

花殻つみをするときの剪定の仕方
枝の先端に1~2輪の花が付くものもあれば、5~6輪が一か所から出ている房咲きになるものもあります。
房咲きでもミニバラほど一か所からたくさん伸びているのでなければ、終わった花を枝分かれの部分から切り落とし、その部分の花が全部終わってしまってから、先端に最も近いところにある7枚葉ないし5枚葉のすぐ上のところで剪定しましょう。
3枚葉のところで切っても新しい芽はそこから出てこないので、20cm 以上切ることになるとしても7枚葉か5枚葉のところで切るようにします。
本葉が7枚葉か5枚葉かは品種によって違うので、7枚葉の場合は、5枚葉のところではなく7枚葉のところで切るようにします。
どのくらい咲き進んだら花殻にするかは人それぞれですが、花びら全体が茶色く枯れてくるまで待たずに、花芯のところが茶色くなったり、花びらの一部の色が変わった時点で切る方が次の蕾ができやすくなります。
枝が混んできたときの選定の仕方
春になってだんだんと陽気が増してくると、葉が一斉に出てきてシュート(新枝)もどんどん伸びてきます。
そうなると葉っぱどうし、枝同士が絡み合ってきます。
この絡み合って全体にうっそうとしてきた状態を「枝が混んできた」と言います。
こうなってくるとうまく育ってきてはいるのですが、そのままでは風通しが悪くなり、病害虫が発生し易くなってしまいます。
特に葉っぱ同士が重なり合っている部分には必ずと言っていいほど虫がつくので、直ちに全体がすっきりするよう剪定して、風通しを良くする必要があります。
穴の開いた葉っぱが増えてきたとき
穴の開いた葉っぱが増えてきたとき、葉っぱを食害する虫が潜んでいます。
1匹しか潜んでいないことはまずないし、虫や卵を一つ残らず見つけ出すのは不可能なので、穴の開いた葉っぱ全体を剪定します。
大きめの枝が食害されているときは、その枝を思い切って切ってしまいます。
手をこまねいていると虫はどんどん成長して食べる量もスピードもUPして、被害が拡大してしまうので、見つけたら直ちに行動します。
切った葉っぱや枝はすべてビニール袋に入れて口を堅く縛って虫が逃げ出さないようにしたうえで、お住いの自治体の区分に従って処分します。
シュートがどんどん出てきたとき
シュート(新枝)がどんどん出てきて、枝同士が絡み合ってきたときは、からんでいる部分をじっと見て、どの枝がなくなれば絡んでこなくなるのかよく考えます。
これだと思った枝を、思い切ってばっさりと切り落とします。
株の付け根の部分からでも構いません。
園芸にはある程度の思い切りも大事です。
バラは非常に丈夫な植物なので、少々葉っぱや枝がなくなってもものともしません。
全体に絡み合う部分がなくなるまで切っておきましょう。
太枝と細枝のシュート、残すのは?
強健種のバラを育てていて3年もすると、直径が3cmくらいある太枝が何本も出てきます。
長年育ててきた太枝と、今年新しく伸びてきた直径1cmくらいのまだ細い枝のシュートが絡み合って来たら、切るのはどちらかというと実は太枝の方になります。
バラの古枝は今後あまり伸びてこないし花つきも悪くなっていくので、枝を刷新するためにも元気のいいシュートの方を残します。
そうはいっても、太枝から元気のいいシュートが何本も出ていて、結局絡んでいるのはシュート同士の場合は、太枝をある程度残してシュートを整理します。
太枝を切っても、シュートを切りすぎてももう二度とシュートが出てこないことはないので、自分のセンスを信じて思い切ったカットをします。
棘や葉っぱの形の違うシュートが出てきたとき
上の画像をよく見てみると、葉っぱの大きさが周りのものより一回り小さくて、まっすぐに伸びた棘が大きめのシュートが何本か出てきているのがわかるかと思います。
同じ株もとから棘の付き方や葉っぱの形が違うシュートが伸びてきたとき、直ちにこの形状の違うシュートを根元から切り落としておく必要があります。
ミニバラ以外のバラ苗の多くは接ぎ木苗です。
形状の違うシュートは、接ぎ木するときに使われた根の部分を作っている台木が伸びてきたものです。
台木のシュートはこのまま育てていれば台木本来の、接ぎ木してある花とはまた違った花が咲き、台木の方がもともと頑強なので本来の花が枯れてしまうこともあります。
台木のシュートはできるだけ株もとに近いところから切って処分します。
【年末の剪定】葉っぱをすべて取る剪定
冬に雪が降り積もってもバラは咲き続けますが、年末に葉っぱを全部取り除いて、バラを休眠させた方が株も充実するため、翌春の花がより一層素晴らしいものになります。
バラの葉には虫や卵の他に、黒星病などの病原菌も潜んでいます。
今年の病原菌や虫を来年に持ち越さないためにも、取った葉っぱは全部キレイに取り除いて、株もとに残さないようにします。
寒冷地であっても、葉っぱはかなり残っていて、一枚一枚取り除いていたら膨大な時間が必要になってしまうので、バラの株全体の大きさから考えて、上の方から樹高の1/4~1/3くらいまでをばっさりと切り落とした後、残った葉っぱを一つ残らず取り除きます。
大寒のころ、もう一度剪定しなおすので、ここでは葉っぱを残さず取り除きやすい・切りやすいところを切るようにします。
このとき、蕾や開花中のものもあるので、切り花としても活用できる状態のものは取り置いて、あとで切り花やドライフラワーにして楽しみましょう。
落ち葉や枝葉をすべて取り除いたら、株もとに穴を掘って堆肥を埋めてからココピートなどのマルチング材を敷いた上で敷き藁などを敷いておきます。
真冬の強剪定
大寒の前後の本当に寒さが厳しいとき(バラが雪で埋まってしまう場合はその前に)、気温が温かくなる時間を見計らって真冬の強剪定を行います。
年末に剪定して樹高が短くなっていますが、さらに1/3程度を剪定してしまいます。
はじめはどこまで切ったらいいのか、こんなに切って大丈夫なのか心配になるものなので、少し控えめな切り落とし具合でかまいません。
多少切りすぎても伸びてきますし、切り方が足りない場合は樹高が高くなり過ぎてしまうだけなので、どんなふうに切っても今度はもう少し控えめにするのか、もっと大胆に切るべきなのかの指標になります。
剪定する位置は、最終的に切ろうとしている枝のその下の部分に赤くぷくんと膨らんだ芽がついていることを確認できた、その芽よりも上の位置です。。
この芽の部分から葉や枝が伸びてくるので、株の中心に向かって伸びそうな「内芽」ではなく、外側に向かって伸びてきそうな「外芽」を残します。
内芽は最終的には混み枝になりやすいので、外芽を優先し、明らかに枯れ果てて茶色くなった枝なども切り落としておきます。
剪定ができて全体的にすっきりしたら、ツルバラ(クライミングローズ)は横枝からシュートがどんどん伸びてくるので枝をなるべく横に寝かせるようにフェンスや壁に誘引しておきましょう。
枝の誘因をするとき、フェンスの網目に枝をとおしたりすると、来年外すことができなくなるので、網目に通さず手前の一面だけに麻ひもなどで括り付けるようにします。
まとめ
バラの剪定は冬以外は控えめに切るだけにして、大胆に樹高が短くなるまで剪定するのはバラの休眠期の冬限定にします。
冬以外に大胆に剪定するとバラが弱ることがあるので、樹高を切り詰めるような剪定は冬限定で行いますが、病害虫が大量発生しているときは、思い切った剪定をしないと被害が拡大して枯れてしまうことがあるので、葉っぱが一枚も残らない状態になっても虫がついた葉は取り除くようにしましょう。
枝が混んでくると風通しが悪くなるため病害虫が発生し易くなるので、絡み合った枝を優先的に何本か剪定して風通しが良くなるようにします。
どれを切るのか悩みますが、切ってみないとわからない部分もあり、何度か挑戦するうちにどんどんうまくなるので、失敗を恐れず挑戦していきましょう。