水やりがあまりいらない観葉植物【サンスベリア】を育てよう

毎日水やりするのは面倒だけど、何か観葉植物を育ててみたい。
そんな時に、おすすめなのが【サンスベリア】です。
サンスベリア(サンセベリア)は、明るいところが好きですが、室内で通年栽培することもできるので、管理のしやすい観葉植物です。
今回はサンスベリアのおすすめ品種や管理方法についてご紹介します。
オーソドックスな「虎の尾」ローレンティー
サンスベリアというとまずは思い浮かべるのが、トラノオの別名のあるサンセベリア・ローレンティーです。
風水でも運気UPや邪気払いに良いとされていて、昔からサンスベリアというとまずこれが流通していました。
NASAが空気清浄効果が高いというデータを発表したとかで、近年人気が再燃し、これまで入手が困難だった珍しいスタイリッシュな品種が続々と入荷して流通に上ってきています。
そのため、手に入れやすい観葉植物の一つになっています。
ローレンティーは土に植えられていない状態の「裸苗」でも流通しているように、水があまりなくても長期にわたって枯れたりしない、水をあまり必要としない観葉植物です。
株元から新芽が次々に出てきたり、小さな蘭のようなクリーム色の花を咲かせることがあります。
スタイリッシュな品種が続々登場
サンスベリアの人気が再燃したと同時に、スタイリッシュなこれまで入手が困難だった品種が続々と入荷され、園芸店の店頭で多数販売されるようになってきました。
上の画像のものは、すべてサンスベリアですが、この他にももっと葉っぱの形状が違う品種が数多く存在しています。
ローレンティーの裸苗は100均でも購入できますが、それ以外の品種の大型のものは高価で取引されています。
実際問題として、サンスベリアは丈夫で、放っておいてもすくすく育つので、安価な店頭で売られている小さい幼苗を購入してきて、大きく育てるのが一番楽しめるのではないかと思います。
サンスベリアの日常の水管理
多くのサイトでサンスベリアの育て方が紹介されていて、室内でずっと育てていると脆弱になるとか、植え替え後水をたっぷりやるとか、2,3日水をあげなくても枯れはしないなどと書かれていることがあり、実際とかけ離れたことが書かれていることが多くあります。
サンスベリアは日当たりが好きですが、耐陰性に富んでいるため、ずっと室内で育てていても脆弱にはなりません。
脆弱になるとすれば、水のやりすぎが圧倒的です。
サンスベリアは原産地が過酷な乾燥地帯なので、生育に水をあまり必要としません。
というと、水やりは霧吹きをかけたり、ちょっとずつ水やりするのがいいと思いがちですが、どちらも誤りです。
4月~11月ごろのサンスベリアには、月に一回程度、株元から、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりし、鉢皿などに水が残らないように水切りします。
葉には水をかけてはいけないわけではありませんが、あまりよくはないので、葉にはなるべく水がかからないようにします。
葉にほこりやカイガラムシなどが付いたときは、水で濡らして絞ったタオルなどで葉の表面を拭いてあげるときれいになります。
サンスベリアは多肥にすると育ちすぎて、あっという間に鉢がぱんぱんになって割ってしまうので、肥料は控えめにして緩効性化成肥料を株もとに置く程度にしておきます。
おすすめのサンスベリアの土と鉢は?
サンスベリアは丈夫な植物なので、上手に水やりすれば普通の草花用の培養土でも観葉植物用の土でも育てられますが、できるだけ排水性の高い土で育てるのがおすすめです。
粒状のサボテンや多肉植物用の土で育てると、水やりの時の水残りを心配しないで済みます。
どんな土で育てる場合も、鉢底石を鉢底に1~2cm入れておいて排水性を向上させておくようにしましょう。
サンスベリアを長く育てていると根がどんどん伸びてくるので、ある程度深さのある鉢の方が育てやすいのです。
ただし、細長い鉢で育てると上の方が重くなって倒れやすくなり、横に横に伸びていく新芽のために手狭になりやすいので、ある程度深さがあって横に広めの鉢がおすすめです。
サンスベリアの冬越えのコツは「禁水」
サンスベリアは、禁水にすると冬の寒さを乗り越えられるようになります。
寒くなると、サンスベリアは水を吸わないため、4~11月と同じように水やりすると株を傷めてしまい、株元から腐って倒れたり、葉がふにゃふにゃになったりします。
つまり、12月~3月の水やりは必要がないばかりか、サンスベリアには毒になります。
ずっと水をやっていないと、まれに表面に縦じわが出てくることがありますが、4月になって水やりすると回復するので、水切れのサインととらえません。
水切れだと思って早めに水やりをした方が、株元から腐って倒れてしまうので、かえってダメージを与えることになります。
禁水の期間は、寒冷地では長めで、温暖な地域では短めでいいのではないかと思うかもしれませんが、長めにしておく方が失敗なく育てられます。
我が家は寒冷地にありますが、全館冷暖房完備のため、室内は冬でも15℃を下回ることはありませんが、3月に水やりすると半分ほど腐りかけるので、4月まで我慢するのが得策だと痛感しています。
株元が腐ってしまったサンスベリアは、腐った部分を切って挿し穂にして再生することが可能です。
サンスベリアを増やす挿し木と葉挿し
サンスベリアは葉っぱを長いまま挿し木にすることも、5~10cmにカットして一枚を何個もの挿し穂にすることも可能です。
葉っぱを挿し木することを「葉挿し」と言いますが、葉挿ししたサンスベリアは、株分けしたサンスベリアと違って葉の白斑がなくなる傾向にあるようです。
葉挿ししなくても元とは違う模様の葉っぱが伸びてくることはまれではないため、長く育てているとバリエーションに富んだ葉柄のサンスベリアになっていきます。
サンスベリアを挿し木・葉挿しするとき、切り口を乾かすために、1週間~10日ほど裸苗の状態で放置しておきます。
小さくカットした挿し穂は、上下を間違えずに下側を土に植えられるよう、上下がわかるようにしておきましょう。
その後挿し木しますが、からからに乾いた土に植えこんで、水は植えつけ後1か月はあげないようにします。
もともと水をあまり必要としないサンスベリアにここで水をあげてしまうと、挿し穂がとても腐りやすくなってしまいます。
一か月では根が十分には伸びていませんが、一か月のうちにグラグラしなくなってきています。
そんな中に、明らかにふにゃふにゃの葉が混ざっていることがありますが、それは挿し木に失敗した葉なので抜いてそのまま処分します。
サンスベリアの挿し木・葉挿しの適期は生育期の4~10月くらいまでがおすすめです。
それ以外の期間に挿し木する場合は、根が伸びてくるまで非常に時間がかかります。
挿し木したのが禁水期の12~3月の場合、挿し木して1か月たったからと言って水やりせず、禁水期があけるまで水やりしないままにしておきます。
サンスベリアの植え替えの注意点
サンスベリアの新芽は、株元から勢いよく出てくるので、プラスチック製の鉢を変形させたり、場合によっては鉢を割ってしまったりします。
余程思い入れのある鉢ではない限り、根の保護を最優先して、鉢はあきらめるのをおすすめします。
サンスベリアを鉢から外すとある程度の株の集まりごとに分かれますが、新芽と親株が地下でつながっていることが多く、大きくなりすぎた株はつながった部分を切って株分けすることができます。
清潔で鋭利なカッターナイフなどでつながっている部分を切り分けますが、親株にも子株にも根がなるべく残るような位置で切り分けると株分けに失敗しにくくなります。
切り口が乾くまで、株分けしたサンスベリアは挿し木の時と同じように裸苗の状態で1週間~10日間放置したのち、からからに乾いた土に植えつけます。
植えつけ後、水やりはせず、1か月後から水やりを再開します。
サンスベリアは丈夫なのでいつでも株分けできますが、なるべく冬の禁水期でない方が失敗が少なくなります。
禁水期に株分けする場合は、そのまま土に植えずに春になるまで新聞紙でくるんで寒すぎない冷暗所に保存しておいて植え付けは春になってからにする越冬方法もとることができます。
禁水期に株分け・植え替えした場合は、植えつけ後一カ月たったからと言って水はやらずに、はじめての水やりは禁水期明けにします。
他にも室内栽培に適したエアプランツの育て方をこちらでご紹介していますので、ご興味のある方はぜひお読みください。