スペースを借りて家庭菜園をはじめよう|貸し菜園の種類と借り方

「スペースを借りて家庭菜園を始めたい!」と思っても、どこでどうやって借りればいいのか、わからないことだらけです。
家庭菜園をやっているひとのところに行って、「どうすれば土地、貸してもらえますか?」と聞いてみるのも一つの方法ですが、タイミングの問題もあります。
いつも生き生きと野菜が育っているのに、日中は誰もいない、ということがよくあります。
夏場などは特にそうですが、手慣れたひとは早朝まだ薄暗いうちに作業を始め、気温が上がってくる前に終わらせてしまいます。
暑い日中の農作業は体に酷なので、その時間しか空いていないときは日中でも作業しますが、手慣れたひとはまず日中には作業しません。
手慣れているひとの話を聞きたいときは、鶏顔負けに早起きして、菜園の近くを散歩してみるのをおすすめします。
貸し菜園を借りるのもインターネットを駆使する時代
貸し菜園を借りるのにも、インターネットで調べて借りる時代がやってきました。
都心に近い菜園よりも、田舎になればなるほど広大な土地を安い値段で貸してもらえますが、日々通うことを考えると、できる限りお住まいのところに近い所にするのが一番です。
週末しか通えなくても管理は可能ですが、とてもいい状態に維持するのであれば、毎日のように通うのが一番であり、ちょっとした時間に寄れる場所は、やはり住んでいるところの近くとなります。
どこに菜園があるのか、どこの菜園に空きがあるのか、インターネットで調べる事ができます。
農業初心者・週末ガーデナーならサポート付き
農業の経験もガーデニングの経験もほとんどなく、毎週末に数時間土と戯れたいひとには、サポート付きの貸し菜園がおすすめです。
近年都市部にこのサポート付き菜園がどんどん増えてきており、常駐のスタッフがいて、手ぶらでふらっと菜園に行っても農業体験ができ、日々の管理も含めてスタッフがやってくれるので、失敗することなく収穫もできます。
利用料はすべてコミコミで月1万円以下が相場で、借りれる面積も小さな庭程度ですが、草抜きする範囲も植え付けする範囲も限られているので、全くの初心者であれば、ココからスタートすると荷が重くなく取り組むことができます。
サポート付きの菜園は民間業者が運営していることが多く、空きさえあればいつでも受け付けてくれるので、やりたいなと思ったら即探してみましょう。
お住まいの自治体にできるだけ近いところで「貸し菜園」と入力して検索すると、貸し菜園・シェア畑のサイトがいくつかでてきます。
自治体が行っている「市民菜園」はサポート付きだと銘打っていない限り、全くサポートなしです。
「フルサポート」と明記されているところで、できるだけ近くて楽しそうなところを探しましょう。
「農園ナビ」は、全国の貸し菜園を探すことができ、これから貸し菜園を借りたいひとの知りたいことが細かく説明されているのでとても参考になります。
「シェア畑」は、全国、と言ってもほとんどが都心部ですが、貸し菜園の空き状況や体験ができるかも含めて紹介されているので、使いやすいサイトです。
自分で好きなように作業したいひとには市民菜園・貸し菜園を
各自治体でも、市民菜園を貸し出しています。
募集時期がそれぞれの自治体ごとに決まっているので、お住まいの市区町村のHPで調べましょう。
今始めたいと思っても、募集時期でないと応募することができません。
募集時期が来るまで待つようにします。
市民菜園は安いけれどデメリットも
市民菜園は、非常に安価で、広い土地を貸し出してくれますが、お住まいの市区町村のものであっても、便利な場所にあるばかりではありません。
借りたい畑が借りられるとは限らず、希望者が多い場合は抽選になり、外れてしまうこともあります。
借地料は年間5000円~1万円と非常に安価ですが、鍬などの農具を買ったり、肥料や園芸資材、種や苗を買う必要もあるので、それ以外の経費がプラスアルファでかかってきます。
どのくらい広いか、というと、ある程度農業経験があったとしても、広すぎるんじゃないか?と思う規模ですが、これだけで専業農家として食べていけるか?となると全然足りない規模になります。
週末ガーデナーで使いこなせるかというと、正直に申し上げて、草取りが間に合わず、持て余してしまうので、最低でも2日おきくらいに通える人向けと言えます。
市民菜園は、自治体によって、どのくらいの期間が借りられるか、決まりがあるところがあります。
1.2年おきに抽選し直しになる所もあれば、毎年更新料を払えばずっと借りられるところもあります。
農地は何度か土壌改良していきながらより良い土を作っていくので、始終借りる場所が変わると続けるのが困難です。
また、玉ねぎのように、秋に植えて梅雨前に収穫する野菜などは、更新時期をまたいで栽培することができない契約だと作れなくなってしまうので注意が必要です。
民間の貸し菜園は市民菜園より割高でも
自治体が運営しているのとは別に、農協関係者や農家の人などが貸し出している民間の貸し菜園もあります。
民間の、サポートのない貸し菜園と考えればよいのですが、市民菜園に比べると面積が少なめで料金は割高になっています。
借地料は市民菜園と変わりないのですが、貸出面積が半分くらいになり、面積が少ない分料金が割高です。
しかし、市民菜園に比べると場所的に便利なところが多く、より身近な場所に菜園が借りられるようになります。
インターネットで調べて探すこともできます。
農林水産省が紹介している全国市民農園リスト
から調べることもできますが、リスト載っていない菜園も貸し出していることがあるので、問い合わせてみましょう。
面積が市民菜園と比べると少なめなので、週末ガーデナーでも使いこなせないわけではないのですが、管理状況としては、2日おきには行ける人のほうが上手く管理できます。
チョロチョロ自分の好きな野菜を育てる分には十分で、はじめは元を取るまでは行かないものの、楽しく維持管理していくのにピッタリの広さになります。
用水が利用できるかどうかは重要
市民菜園や貸し菜園を利用するとき、はじめに「水はありません」とことわられていることが多いのですが、水道水が使えないことをさしており、近くに用水路があると、そこから水を汲み上げながら利用することができるので、利用できる用水路があるかどうかが大事なポイントになってきます。
用水路がない場合、水をタンクに詰めて持っていく必要があり、ごく近くでないと持って通うのが困難で、自家用車がないと維持管理が難しくなってしまいます。
農作業をすると、場合によっては全身泥だらけになることがあります。
靴は必ず長靴に履き替えて作業しないと、歩いて帰るにしても帰り道、泥を落としながら帰ることになります。
農具も泥だらけになるので、できれば洗って帰りたくなります。
用水路で洗うとある程度きれいにするのが簡単です。
自分のスキルや時間を考えて借りよう
どういう農園を借りるのかは、自分の農業スキルの高さや、どれだけ農作業に時間が割けるかで決まってきます。
市民菜園などは、土地の賃貸料は割安ですが、農具を買ったり、資材を買ったり、更に投資が必要で、広さがある分、ある程度スキルが無いと持て余してしまいます。
広い菜園はその分草抜きするスペースが増えるので、必要な労働量が増えることも考慮しましょう。
とはいえ、自分の好きなように野菜を植えて、失敗したとしても、それは貴重な経験のひとつです。
「野菜を育ててみたい」と思ったとき、「元を取る」ということは頭から捨てて、やってみて、上手く行ったときに喜び、上手く行かなかったときに「次はこうしよう!」といろいろやってみることに楽しみを見いだせてもらえたらと思います。
はじめから農作業が上手な人はまずいません。
その年その年で、ベテランのひとも収穫量が変わってきます。
「上手くやる」ことを目標とせず、「土いじりを楽しむ」ことを目標として、貸し菜園を利用してみましょう。
プランターで育てるのとはまた違った、大地のすごさ、微生物やミミズも含めた生き物の息吹を感じることができるのは、農園ならではだと思います。