ポインセチアをクリスマスで終わりにしない越冬のコツ

ポインセチアはクリスマスの花・冬の花の代表格として定着していますが、メキシコの高温乾燥地帯原産の植物です。
生育適温は20~30℃で、寒さに弱いので、10℃以上でないと越冬も難しく、葉っぱがなくなってしまいます。
しかも、ポインセチアは草花ではなく、自生地では3~5mまで育つ常緑低木で、真っ赤に色づいているのも花ではありません。
ポインセチアの花は小さい
真っ赤に色づいたポインセチアはかわいらしいのですが、あの赤いのは花ではなく、葉っぱ(苞葉)です。
本当のポインセチアの花は、赤い葉っぱの中央にある、粒状の黄色く寄り集まっているものです。
赤い苞がカールしたウインターローズや、かわいらしいピンクに色づいたプリンセチアはポインセチアの園芸品種です。
白や黄色系、ピンクの色にも色の幅が出て、品種改良が進んでバリエーションが増えています。
ポインセチアの日常管理
ポインセチアは冬になると出回るので、冬の植物で寒さに強いイメージが強いのですが、寒さには弱く、10℃以上の環境で育てないとどんどん葉っぱが落ちてきて、枯れてしまいます。
「八重桜が咲くころが目安」ですが、遅霜の心配も全くなくなり、気温がしっかりと上昇して安定するまで室内栽培します。
10℃以上の環境で明るい窓辺に置いておくと、葉も落とさず元気に春まで過ごせます。
ポインセチアの冬の水管理
冬の間は寒いから、実は活動を休止している「休眠期」なので、水やりしてもあまり水を吸わないため、水をせっせとあげると根腐れして枯れてしまうので、水やりは控えめにします。
「控えめに」というと、毎日ちょっぴりあげるのと勘違いしやすいのですが、水やりするときは底から流れ出るまで水やりし、水やりしない期間を長くとるようにします。
1週間おき、2週間おき、と言った間隔では管理しません。
土に少し指を突っ込んでみて、表面より少し下まで乾いているのが確認出来たら、株元から、鉢底から流れ出るまで水をやり、しっかり水切りしておきます。
次に水やりするのは、同じように、土に少し指を突っ込んでみて表面より下まで乾いているのが確認できてからです。
水やりするときに、葉の両面をシャワーで洗ってやる「葉水」も行うと、虫やほこりも取れて元気な状態が維持しやすくなります。
ポインセチアの冬以外の水管理
ポインセチアは乾燥を好む植物なので、土が湿った状態が長く続くと根腐れして枯れてしまいます。
気温が20~30℃になると活動期になるので、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりするようにします。
指を突っ込んで中まで乾いているのを確認しなくても、表面だけで十分です。
水やりの仕方そのものは冬と同じで、株元から、鉢底から水が流れ出るまで水やりし、鉢皿などに水をためません。
冬以外のポインセチアは乾燥をこのむものの、水切れするとすぐにぐったりしてしまうので、乾きすぎには十分注意しましょう。
ポインセチアは長期不在のお留守番は苦手
ポインセチアは、土が乾いたらたっぷり水を与えて育てますが、水がずっとある状態だと簡単に根腐れしてしまいます。
かといって、長く乾燥に耐えることも苦手で、乾燥しすぎるとすぐにぐったりしてしまいます。
ポインセチアを置いて長期不在にする場合、鉢皿にしっかり水を入れて置いておくと、ある程度は耐えられますが、根腐れを起こして枯れてしまいます。
水をたっぷりあげてから不在にする場合、2~3日であれば問題ありませんが、それより長くなると、ぐったりしてしおれてしまいます。
ペットボトル給水で対応しようとすると、湿度を保ちすぎる傾向があり、やはり根腐れを起こしてしまいます。
かろうじて、「素焼きポット」に水を入れたものを株もとに挿したものであれば、湿度をそれほど高く保てないので根腐れを起こしにくくなりますが、1週間以上不在になる場合は枯れかけることがあります。
そもそも大きくなると3~5mの木になるので、小さな鉢植えは「幼苗」にすぎません。
ベイビーなので、水切れにも水が多すぎるのにも耐えられないようです。
ポインセチアの肥料
ポインセチアの生育期の4~10月では、月1回、緩効性化成肥料を株もとに一つかみまいておきましょう。
中央の黄色い花が付いたときは、液体肥料を月3回ほど水の代わりに与えるようにします。
冬場、特に厳冬期の2~3月は、生育がほとんど止まった休眠期になっているので、肥料は与えないようにします。
ポインセチアが傷ついたとき
ポインセチアの葉っぱをとったり、倒して傷がついたりしたとき、切り口から白い液が出ます。
この液は毒性があるので、触らないように、なめてみたりしないようにしましょう。
傷口はやがて黒く変色してくるので、美しい姿を保つためにも、なるべく倒したりしないように気をつけましょう。
ポインセチアを大きくしたくないとき
冬越しできたポインセチアは、そのままでも育てられますが、大株に育てたくないときは、春に外に出すとき、剪定してコンパクトに切り戻します。
特に葉っぱが落ちてしまったようなものは、剪定することで新しい芽をたくさん出させ、こんもりした形に戻せます。
下から数えて2~3節の、本当に株もとに近いところまで、ぱつんぱつんと切り落とします。
剪定が終わったら鉢を外して、土を1/3ほど落として傷んだ根も取り除き、一回りか二回り大きな鉢に新しい土を加えて植え替えます。
土は黒っぽいふわふわした観葉植物用の培養土を使い、排水性の向上のために、バーミキュライトやパーライトをブレンドしておくのがおすすめです。
鉢底石を鉢の底に1~2cmほど敷いておきましょう。
植え替えや剪定の方法を詳しく紹介した画像があるので、参考にしてください。
ポインセチアの株を大きくしてもかまわないとき
下の方の葉っぱまで十分に残っていて、さらに充実したポインセチアに育てていきたい場合は、剪定しないまま育てても構いません。
剪定は傷んだ枝を2~3節残して切り戻すだけにします。
ポインセチアは根を大きく張るので、二回りほど大きな鉢に植え替えるようにしましょう。
傷んだ根がある場合は取り除きますが、特に傷んでいなければそのまま、新しい土を足して植え替えます。
ポインセチアの短日処理
ポインセチアを普通に育てていると、全体が緑色のままになります。
赤く色づいた物が緑に戻ることはありませんが、緑色のものは短日処理して赤くします。
一日のうち、夜が13時間以上になる日が40日以上続くと赤く色づきます。
品種により、60~70日かかるものもあります。
9月になったら、夕方箱などをかぶせて、翌日朝に箱から出すようにする「短日処理」を続けていくことできれいに赤く染まります。
箱をかぶせなくても赤くはできるけれど
わざわざ箱をかぶせなくても、昼間明るくて、夜は電気をつけたりしない部屋で管理すると、短日処理しなくても自然に短日処理ができます。
場合によっては赤く染まる量が少なくなったり、まだらに染まったりすることがあるので、確実に赤くしたいなら、短日処理をした方がうまくいきます。
短日植物を育てたことがあるなら
同じように短日処理しないと花を咲かせない植物はいろいろあります。
例えば、シャコバサボテンは短日処理しないと蕾が付きません。
シャコバサボテンを育てて花を咲かせられる人であれば、同じ環境に置いてあげるとポインセチアも赤く色づかせることができます。
シャコバサボテンの隣でポインセチアを育てると、シャコバサボテンに花芽がついたころには、ポインセチアは赤く色づいていることになります。
シャコバサボテンも箱をかぶせて短日処理しているのであれば、ポインセチアも同じように箱をかぶせます。
シャコバサボテンに箱をかぶせなくても咲かせられる環境であるなら、ポインセチアの短日処理も箱をかぶせなくても、問題なく可能です。
ハイビスカスの冬越えについても記事を書いています。
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