自分の庭にバラの花を咲かせたい!はじめての人にもわかりやすく解説

バラは買ってきてもすぐに枯れる難しい物というイメージが強くあります。確かに病害虫に弱いのですが、コツをつかむのはそんなに難しいことではありません。雪に埋もれても豪華に大きく育っていき、毎年花を咲かせてくれます。
四季咲きの品種を選ぶと、春から年末にかけて、花の量を増減しながらも咲き続けてくれるため、常々バラの花のあふれる庭にすることも可能です。
意外とおおざっぱでもできるバラの育て方
バラは女王様なので、狭いところで育てられるのは大嫌いです。冬は冬眠するので、根をいじることができますが、冬以外に根をいじると簡単に枯れてしまいます。
広いところで、他の植物なら、水のやりすぎ?肥料のあげすぎ?と思われるような過剰すぎる愛情をもって接すると元気に育ちます。女王様なので、愛情過多でOKなのです。
土が乾いているか確認して加減する必要はありません。あげすぎじゃないのかと思うほどたびたび肥料をあげたほうが花がよく咲きます。多すぎるくらいでちょうどいいので、おおざっぱなほうがうまくいくのではないかと思います。
コツは肥料・水・日当たりたっぷり
バラはできるだけ日当たりのよいところで、肥料と水をたっぷり与えて育てます。室内では花を咲かせられないわけではありませんが、従来の半分以下しか咲かせることができません。たっぷりの日差しを浴びて育ちます。
水は、春から秋までは毎朝、真夏は朝夕、秋の終わりから冬の初めまでは1日おきくらいに水やりをします。冬の休眠期は水やりしません。雨降りのときは、様子をみて、足りないようなら水やりします。
肥料は四季咲きのバラの場合、花数が減ってきたら肥料切れのサインなので、すぐに一つかみのバラ用の肥料をあたえます。真夏は咲くと株そのものが弱るので、咲きにくいように、肥料を減らし目にしておき、涼しくなったらまた増やします。
バラの肥料は有機肥料?
地植で育てる場合、植えつける前に加える肥料「元肥」として施肥するのはじっくり効く有機肥料が最適だと思います。また、真冬に強剪定して休眠に備えるときに多めに施肥する「寒肥」もまた、すぐに効くのではなく、あとからじわじわ効く来年のためのものなので、有機肥料が最適だと思います。
いずれにしても、有機肥料はにおいが強いので、住宅密集地では使用に気を遣います。地中深い元肥や、冬季のあまり誰も窓を開けない寒肥に使うくらいにして、そのほかの期間の追肥に用いる肥料は化成肥料など、バラ用のにおいが抑えられた肥料が最適ではないかと思います。
育てやすさは品種によって
バラの育てやすさはその品種ごとに決まっています。弱くて育ちにくい品種は病害虫にも好まれ、何年たっても細く弱々しいしいままですが、強健種はすぐに大株に育ち、病害虫をものともしません。
ただし、強健種は元気にすくすく育つものだけではなく、びっくりするほど巨大化するものが多くあります。例えばニュードーンはあっという間に3m四方以上の大きさに育ちます。6m四方くらいのスペースがないとおすすめではありません。
ミニバラは花が小さいという意味ではなく、株が大きくならない60cmくらいまでしか育たない品種です。つるバラ・クライミングローズはつるがどんどん伸びていく品種で、こんもりと茂りながらある程度大きくなるシュラブローズ、まっすぐ伸びる立ち木性のものなど、成長の仕方、大きくなる度合で種類分けされています。
花の大きさで小輪、中輪、大輪に分けられ、ミニバラでも直径5cm以上の花を咲かせるものもあれば、つるバラでも小さな花しかつけないものがあります。
ラベルをよく見て選ぶ
バラについているラベルには、四季咲きか、春しか花が咲かない一季咲きか、春以外も時々咲く返り咲きかの種類分けや、病害虫に強いか、どういう樹形に育つかなど、詳しく説明されてあります。
メジャーなバラには名前しか書かれていないものがありますが、その名称でどういう性質のバラなのか、調べればすぐにわかります。
自分の植えたい場所に適したバラかどうかをラベルで確認し、花の色や形も含めて選ぶようにしましょう。
殺虫剤が効かない虫こそ天敵
バラは非常に虫に好かれる花なので、殺虫剤を使わずに育てるのが非常に難しい植物です。無農薬で育てる場合、アブラムシに始まる殺虫剤が効きやすい虫も手で取っていく必要があり、毎日の虫チェックが欠かせません。
バラにつく虫は殺虫剤が効かない虫の害のほうが大きく、ダイレクトに株を枯らしてしまったり、丸裸にされてしまいます。株もとに穴をあけて中を食い尽くして枯らすテッポウムシ、蕾に穴をあけ、葉も食害するホソオビアシブトクチバ、集団で葉を食い尽くすハバチ、蜘蛛の巣状の袋を伸ばして根から養分を吸い出すジグモ、根を食い荒らすヨトウムシやカナブンの幼虫など、あげ始めたらきりがありません。
殺虫剤が効かない虫も多いので、殺虫剤が効くような簡単に除去できる虫はできればオルトランなどで予防しておき、殺虫剤が効かない虫こそ徹底して除去するようにする必要があります。
ローズヒップは手抜きの証
ハーブティーでも人気があるローズヒップは、ビタミンCの爆弾とも呼ばれるビタミンが豊富なバラの実です。通常、犬バラ(ドッグローズ)、ハマナスなどから採るため、それ以外のバラからは採れないと思いがちですが、実は、花殻を自分で落としてしまう修景バラ以外のバラなら何でも、ローズヒップを付けることができます。
花殻つみをしなければバラは実をつけます。それがローズヒップです。ローズヒップを付けると栄養が実に行ってしまうため、次の花が咲かなくなってしまうので、実をつけないように花殻つみをします。
ローズヒップがついている=花殻つみが不十分、ということになるので、手抜きの証になってしまいます。
犬バラやハマナスは病害虫に強く、ローズヒップをつけてもどんどん花を咲かせるので、無農薬で育てながらも収穫も花も楽しめます。ローズヒップの採取に主に犬バラやハマナスが使われますが、ほかのバラにはローズヒップがつかないわけではありません。
自家製ローズヒップティーの作り方をまとめましたのでご興味のある方はこちらもご覧ください。
誘引や強剪定は冬に行う
つるバラはつるを横に伸ばすと、上に向かって分岐してたくさん花を咲かせます。横方向に伸びた部分がなるべく長くなるようにバラをフェンスなどに這わせます。これを誘引(ゆういん)と言いますが、アーチに添わせる時もまっすぐ伸ばすのではなく蛇腹状に伸ばしていくことで横方向の長さを多くとります。
前年の病害虫を翌年まで持ち越さないために、冬に葉をすべて取り除き、枝を大きく切り詰める「強剪定(きょうせんてい)」を行います。木立性のバラの場合は、1/3程度の大きさになるまで切り詰めることができます。どのくらい切り詰めるかは経験と好みによりますが、初めての場合は樹高の1/2程度の位置にある、赤くぷくっとなった花芽の上で切ることをおすすめします。
これらの誘引や強剪定はバラの休眠期の冬に行います。休眠期であれば枝を曲げても折れにくく、強剪定してもびっくりして枯れるということがありません。それ以外の季節は枯れたり絡んだりした枝を切り詰める程度にして置き、大きく曲げたり切ったりすることは冬にのみ行います。
バラの植え方のコツ
バラを植えつけるときの注意点は多くありません。冬以外に根をいじらない、それさえ守ればほぼ植え付けに失敗することはありません。水持ちがよすぎる土もそうでない土にも何とかなじんでしまいます。
冬以外は根鉢を崩さずそのまま
バラは冬以外に根をいじると枯れてしまうことがあります。冬以外はなるべく根をいじらないようにします。ポット苗を買って来たら、ポットを外してそのまま土を落とさずに一回り大きな鉢に植えるか、地植にします。ベストは地植です。バラは根を大きく張るので、地植の方が管理しやすくなります。
諸説ありますが、鉢植えの場合は鉢底石を1~2cm入れた後、培養土を5cmほど入れ、元肥えを加え混ぜた後、上に2cmほど培養土を足した後、苗を置き、周りと上に土を入れます。鉢の縁と土の表面は、水やりしやすいように2cm 以上空間をあけておきます。
バラ用の培養土がベストですが、一般の培養土でも構いません。鉢植えの場合の元肥えはバラ用か、においが少なめの元肥えに適した肥料を一握り加えます。原則は1株1鉢です。鉄則でもあります。
鉢は、直径25cm以上ある、深さのしっかりとある鉢を用意しましょう。大きくなる品種の場合は、直径1mの鉢でも大きくありません。植えつけ後、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりします。
株間をしっかりと開けて
地植にする場合、比較的大きく育たないミニやブッシュなどでも株と株の間を60cm以上あけるようにします。大きく育つものは1m以上株間をあけるようにし、巨大化する株はその大きくなるサイズに合わせて十分なスペースを取るようにします。
根が大きくならないと株も大きくなりません。しっかりと多めに株間をあけて植えつけるようにしましょう。
直径60cmくらいの大きめの深い穴を掘り、底に堆肥を多めに加え混ぜ、その上に元の土か培養土を10cm埋め戻し、その中央に苗を置き、周りをしっかりと土で埋めます。しっかりと固めたらどろどろになるまでしっかりと水やりします。ぐらつく場合は支え棒をつけておきましょう。
地植えの掘り起こしは大寒のころ
根をいじられるのが嫌いなバラは、冬以外に掘り起こそうとすると、枯れてしまうことがあります。地植のバラを鉢あげするときや、場所を変えて植え替えるときは、冬に行うようにします。特にバラがしっかり休眠している寒さが厳しい大寒の頃がおすすめ。
土が完全に凍っていると掘り起こしにくいので、暖かめの時間帯に行うようにしましょう。
接ぎ木苗の接ぎ木部分について
バラの苗は接ぎ木苗のものが多く、多くは根元近くで接ぎ木されているので根元部分の幹が太くなっています。苗を植えるとき、この接ぎ木部分を土の中に埋めるのか埋めないのか?悩むところです。
巻いてあるテープは自然に還るものが使われているのがほとんどなので、外さないものですが、接ぎ木部分をどうするかは専門家の意見も、埋める・埋めない両論あります。どちらの言い分にもそれぞれ利点があるので、結論としては、好きな方を選べばよいと思います。
自分自身の経験からいうと、どちらもやってみた結果、生育に大きな差は感じられませんでした。現在は、掘った穴に苗をセッティングして盛り土したときに接ぎ木部分が土の中に来たら土の中に、土の上なら土の上にしています。
手頃なミニバラを枯らさずに育てるには
バラを育てるのは難しくないといわれても、高価な名花をいきなり買うのは躊躇してしまいますね。そんな時に目につきやすいのがミニバラです。コロンとしたかわいいサイズのものがとても手ごろな値段で色柄も豊富に通年流通しています。
これなら育てられるかもと購入して大事に育てはじめても、みるみる枯らしてしまうことがよくあります。買ってきたミニバラをそのまま育てるとたいてい枯れてしまいます。枯れないためのノウハウをここでご紹介しましょう。
買ったらすぐ一株ごとに分ける
接ぎ木苗が多い大株のバラと異なり、ミニバラの多くは挿し木苗になっています。挿し木したバラが全部つくわけではないので、大量に挿し木して一鉢を仕上げ、育ったものを育てる方法で作られています。複数本が一鉢に植え付けられています。
バラは、お互いに根を張り合うので、複数株を一鉢に植えているとお互いに根を張る競争して枯れてしまいます。これを防ぐために1本ずつに分けて一鉢ずつに植え替える必要があります。
冬以外は根の周りの土をできるだけ残すようにした方がいいので、鉢を外したら、根を傷めないように土を落としながら手で根をより分けながら分けていきます。ほぐしにくいときはバケツに水を入れた中に地中部を入れてそっと分けるようにします。
直径15cm以上ある大きな鉢に一株ずつ
元の直径10cm程度の小さな鉢は一株になったミニバラにも小さすぎ、土が少ないために暑さ寒さの影響をダイレクトに受けてしまいます。大きめの鉢にゆったりと植えつけるようにしましょう。大きすぎても問題はありません。地植にすることももちろんできます。
大きい鉢でも複数本植えるとどちらかが弱るか、最悪両方枯れてしまうので、必ず1本1鉢を守りましょう。
寒さにあてるほうが翌年きれいに咲くけれど
バラは冬の寒さにあてるほうが翌年きれいに咲くといわれています。屋外で越冬できます。上に雪がドカンと乗っても、ものともしないのは大株もミニ株も同じです。しかし、鉢植えの場合は鉢が小さすぎると根が凍って枯れることがあるので、一回り大きな鉢に植え替えて置いたり、二重鉢にしたり、プチプチを鉢の周りに巻いておくなどの防寒処理をしておく必要があります。
冬の間は冬眠しているので屋外の場合は水やりの必要はありません。あまり土がカラカラで気になる場合は暖かい時間に水やりします。
まとめ
園芸初心者でもバラを育てるのは手順を間違えなければそれほど難しいものではありません。ミニバラも、枯れやすいのは複数株が一鉢に植えられているからで、一鉢ずつに植え替えると元気に育ちます。
大きめの鉢が必須ですが、横に広いものと縦に長いもの、どちらかを選ぶ場合は、バラは根を深く張るので縦に長い鉢を選びましょう。
ガーデニングをこれから始めたいという方にはまず、こちらの記事をおすすめします。
ガーデニングの基本はもちろん土づくりからですよね?^^
四季折々のバラを奇麗に育てたいという方にはこちらの記事がおすすめです。
真っ赤なバラも素敵ですが、白いバラもきれいですよね^^