マニアック?インドアグリーンライフのすすめ

ちょっと疲れたときにふと、さらさらと柔らかい音を立てて風に揺れる小さな葉っぱや、窓辺に大きく張り出した大きな葉、好き勝手に伸びていくサボテンなど、さわやかなグリーンに視線が寄せられるときがあります。それぞれに個性的な観葉植物が「お疲れさま。今日もいい気分だね」と語りかけてくれるようで、心が少し軽くなるような気がします。

昨今の室内環境はエアコンの完備などで、冬でも夏でも比較的に快適に過ごせるようになってきているので、暑さ寒さにそれほど強いわけではない観葉植物も、通年育てることができるようになっています。子どもが小さいときは、「植物を育てるなんて、とてもとても」と思いがちですが、小さな鉢植え一つあるだけで心にゆとりが生まれ、疲れた心が癒されます。

セカンドステージに入ると、ゆったりとした時間を過ごすことができるようになってきます。多少の手間暇を取られることで、子どもへの過干渉も緩和されるので、これまで育ててこなかった方も、グリーンライフをはじめてみるのはおすすめです。

 

観葉植物を選ぶとき

どんな品種の観葉植物を選んだらよいのかということは、どういう場所に置きたいかでおのずと決まってきます。暗い場所には日陰を好むシダ植物を、室内で楽しむにはベンジャミンやガジュマルなど暗くても明るくても置き場所になじむフィカス属(ゴムの木の仲間)を、明るい室内なら、屋外栽培向きのもの以外ならなんでも、といった感じで、自然に、置き場所にあった品種が決まってきます。

観葉植物の大きさについては、どんな時に、誰のために選ぶのかによって、おすすめしたい大きさや状態が変わってきます。贈答用は大型が、自分用は小型がおすすめです。

初めての方は人気のサンスベリアに挑戦してみてもよいかもしれません。

 

贈り物には大型観葉植物を

新築祝いに、店舗新装開店のお祝いに、何を贈っていいのか悩むときは、大型の観葉植物を贈るのがおすすめです。大型の観葉植物は大型だけあって、病害虫にも強く、多少の環境の変化にも何とか対応してくれます。たとえ全く同じ観葉植物を持っていたとしても、一鉢ごとに個性があるので、重なっても困りません。

とても丈夫と言っても、だんだんと弱ってきて枯れてしまうこともあるため、「私、枯らす人なの、ごめんなさい!」と謝られることも多いので、育て方やおすすめの置き場所の環境を知っていれば簡単に伝えて、場合によっては、「枯れることもあるけれど、もし枯れても気にしないから、気にしないでね」と伝えて置くと気兼ねなく栽培に取り組んでもらえます。

ネットで注文することもできますが、できれば店頭で、葉の様子がしっかりしていて、黄色などに変色した葉がたくさんついていないか、幹がぶよぶよしているところがないか、見て心がひかれる形をしているかなどをじっくりと確かめてから、贈る人にぴったりだと思う観葉植物を選ぶと、気持ちもプラスして贈ることができます。

 

自分用はミニ観葉植物か見切りコーナーで

贈り物として、大型の観葉植物をいただくと、豪華なうえ、室内が落ち着いた雰囲気になるのでよろこびもひとしおですが、自分で買うとなると、価格も高くなり、アマチュア故、買ってきた時よりもだんだんとみすぼらしくなってしまうことがあるのであまりおすすめとは言えません。

ではどういったものが、自分用におすすめなのでしょうか。子供の手がある程度離れていて時間がとれるセカンドステージ世代には、100均に売っているミニ観葉植物や、園芸店の隅で朽ち果てかかっているいわゆる”見切り苗”がおすすめです。

価格が抑えられているので、思い切った植え替えも躊躇せずできて、弱った状態から見違えるような元気な姿に育てることができるため、”育てがい”がいっぱいになります。

 

自分用の観葉植物を選ぶときのポイント

小さめの観葉植物を選ぶにしても、種類も多いため、どんなものを選ぶのがよいのか、大きさだけでは一概には選びきれないところがあります。最終的にはフィーリングが一番大事で、”そだててみたい!”と思える苗がいちばんぴったりなのですが、種類も豊富で安価にたくさん出回っているので、かえって迷ってしまいます。そこで、100均観葉植物と見切り苗について、選ぶときのポイントをご紹介しましょう。

 

100均の観葉植物の狙いどころ

100均のミニ観葉植物には、100円相当だと思われる苗に交じって、流通の過程でできる本来は100円では流通しない”ハンパ苗”が何割か混ざっています。ある程度目が効き、タイミングを逃さなければ、「これが100円!?」と小躍りしたくなるものに出会えることがあります。どれもピートモスのような一律同じ土に植えられているので、持ち帰ったら直ちに植え替える必要はありますが、コスパは最高です。

生育状態からすると、「幼苗」に当たり、サイズは小さめですが、品質が悪いわけではありません。小さいのでデリケートなため、最適の環境に切り替えてあげないと枯れやすいので、購入後、適切な環境に置き換えてあげる必要があります。環境がうまく整えられると、数年で見違えるほど大きく成長します。

育てたことがない品種であれば、複数のサイトで、適切な土、水やり方法、適切な置き場所を調べて、その観葉植物にぴったりの環境を用意します。一つのサイトだけでは、正しい情報がそろっているとも限らないので、複数検索して自分で決めることが大切です。

 

見切り苗の狙いどころ

園芸店やホームセンターの園芸コーナーの片隅に、状態が悪くなってしまって値段が下げられた”見切り苗”が販売されています。100均よりも安くなっていることもあります。花が終わっていたり、枯れかかっているもの、元気がなくなっているものが従来の値段を大幅に下げて並べられています。

元気がなくなっている植物には、どうやっても手の施しようのない”瀕死”のものもありますが、植え替えて、適切な環境に置き換えれば息を吹き返す、救済可能な状態のものがたくさん売られています。じっくり見て、瀕死の状態でないものを購入します。

見切りコーナーでは、40~60代のお花の好きそうな方が多く集まっています。まさにセカンドステージ世代のためのコーナーなのかもしれません。時には園芸談議に花が咲きます。

見切り苗は、直ちに植え替えて、しっかりと水やりをし、様子を見る必要がある場合もあります。傷んだ葉や土を取り除き、水やりして観葉植物用の肥料を置いだけですぐに元気を取り戻すこともあります。上手に育てられるかどうかは腕次第です。

はじめて育てるものの場合、適切な環境はどういう環境なのか、品種がわかるようであれば品種からネットで検索して、育て方、適切な環境を調べてから、必要であれば植え替えもしましょう。

一つのサイトの内容をうのみにしないで、複数のサイトから情報を取り出し、適切と思われる環境を考えましょう。よく知っている似た品種のものがあれば、それに合わせてもうまく育てられます。

 

安価なものは枯れやすいから

100均のミニ観葉も見切り苗も、小さかったり状態が悪かったりするので、枯れる確率は、高価な状態の良かった植物よりも高く、枯れるときはあっという間に枯れてしまいます。しかし、適切な世話をするとしっかりと大きく育つので、「育てる楽しみ」は大きくなります。

上手に管理できたら、数年で見違えるほど大きくなります。「数年」は長いと思われるかもしれませんが、植物栽培で2~3年のスパンはあまり長いと感じられないものです。

また、枯れたとしても、お財布の方はあまり傷まないので、再チャレンジも可能です。ちょっと変わった栽培方法にチャレンジするのも容易になります。

 

土を使わない室内栽培にチャレンジ

観葉植物を育てる場合、「土=虫を呼ぶ」ことから、土を室内に持ち込みたくないと、二の足を踏むことがあります。そんな時に、土を使わない室内栽培法がおすすめです。植物なので、虫ゼロとは言えませんが、土がない分、虫の発生率が格段に少なくなります。大型の高価で重量もある観葉植物で、土を使わない栽培方法にチャレンジするのはハードルが高くなりますが、小さめのものなら思い切ってチャレンジもしやすくなります。

 

ハイドロボールを使って栽培する

土を使わない室内栽培というと、「ハイドロカルチャー」を連想される方が大多数です。ハイドロカルチャーは、容器の底に根腐れ防止剤を入れて、底に1cm1くらい水を溜めて、土の代わりにハイドロボールで植物を栽培する方法です。ハイドロボールはいわゆる「発泡錬石」のことで、素焼きのボールです。ハイドロボール以外にも様々な種類の発砲錬石が出ていますが、ハイドロボールは100均でも手に入るようになったので、チャレンジするにはおすすめです。

ハイドロボールで植物を栽培する場合、根についている土をきれいに洗い流し、ハイドロボールも排水溝ネットなどに入れてよく洗ってから植えつけをします。使用済みのハイドロボールはネットに入れてよく洗ってから熱湯をかけて消毒すれば繰り返し使うことができます。

底穴のない容器に植えるか、底穴のない容器にざるのような容器と二重にして植えるのがハイドロカルチャーの方法ですが、あえて底穴の開いた”普通の植木鉢”に植えるのをおすすめします。

 

底穴のある容器でハイドロボールを使うには

底穴のある容器に土の代わりにハイドロボールを使って植物を栽培する方法は、土をそっくりハイドロボールに切り替えるだけ。

普通の土に植えられていた観葉植物は鉢から外してできるだけ土を手で落としてから、水で根をきれいに洗い、洗っておいたハイドロボールを土のように植木鉢に入れて、苗をセットして植えつけます。

もともとついていた植木鉢をきれいに洗って使っても、新しい鉢にしてもOK。底に水をためないので、水が腐る心配がなく、コバエなども発生しにくい特徴があります。

水は土で栽培したときと同じように、表面のハイドロボールが乾いてきたら底から水が抜けるまで水やりし、鉢皿に水をためないようにします。肥料は、液体肥料でも固形肥料でも土の時と同じように施肥します。最初に土に混ぜ込んでおく元肥だけはやりません。

 

底穴のない容器でも

底穴のない容器でハイドロボールを使って植物を栽培する場合も、底に水をためずに、表面のハイドロボールが乾いたら、上まで水を入れてから、上から水をしっかりと切る方法で水やりをしたほうが、底に水をためる方法で栽培するよりも植物が元気に育ちます。根腐れしにくいので、長い年月育てられます。

ハイドロカルチャーでは、底に1cmほど入れた水がなくなるまで次の水やりをしないようにしますが、この水が腐ったり、かびたり、水のやりすぎで根腐れしたりすることがあります。

毎回水切りすると土に栽培しているのと変わりがなくなり、水やりの頻度が高くなりますが、根の状態が良い状態を保ちやすくなり、かえって管理がしやすくなります。

 

まとめ

贈答用の観葉植物は大型の状態のよいものがおすすめですが、自分用に「育てて楽しむ」場合は、100均の幼苗や、ちょっと元気を失っている見切り苗がおすすめです。自分の手で、元気によみがえらせ、すくすくと育っていく姿を見る喜びはひとしおです。

プロが手塩にかけて育ててくれた状態のとてもよいものは、素人ではどうしても少し弱らせてしまったり、形が崩れたりしてしまいがちです。その点、マイナスからのスタートであれば、あとはよくなるばかりなので、心置きなくチャレンジもできます。

枯らしてしまったらだめというわけではありません。何年たっても、どれだけ育てても、育たないときはあります。相性もあるので、いろいろ育てて自分に合った植物を探してみてください。

 

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