初心者ガーデナーの貸し菜園体験記【追記】

その1~3で終了の予定だった貸し菜園体験記ですが、いくつか書き忘れたことがありました。

追記としてご紹介していくことで、新しく家庭菜園を始めるときに役立てていただけたらと思います。

 

菜園の水やりは用水を活用して

菜園の水やりは、側に用水が流れている場合、その水をくんで水やりに活用します。

もともと周りが田畑であったり、開発が進んだ都会でない場合には、農業用水として、水量の多い水が流れている水路「用水」があります。

田んぼに引く水は、用水で管理されているので、同じように畑に使う水を用水から取ることができます。

バケツなどで用水の水をくんで、畑で作物に与える水として利用します。

 

自宅から、水道水をポリ容器などにくんで持ち運んで使っても構いませんが、何かを植え付けるたびに運んでくるのは面倒です。

それしかない場合は致し方ありませんが、用水が流れているのであれば、活用しましょう。

用水の流れからそのまま水くみできることもあれば、蓋を開けて中の用水を取り出すこともあります。

 

我が家の借りた畑の場合は、「使える用水はありません」とJAの担当者が断言していましたが、隣の畑の方に聞いたら、用地の北側に用水が流れていて、皆で利用していました。

作物に水やりするときだけでなく、使った農機具や、ドロドロになった長靴の底をさっと洗っておくのにも活用でき、とても便利でした。

 

雑草・野菜殻は畑の隅で土に返す

畑で作物の栽培が終わった後、引っこ抜いた枝葉や、傷んでしまった野菜など、しっかり耕作しようとすると、結構大量に出てしまいます。

草も次々生えるので、抜いた草も大量です。

これらを、全て袋に詰めて持ち帰り、ゴミの日に出すこともできますが、毎回となると大変です。

 

抜いた草や、栽培後の枝葉など、畑の隅にスペースを決めて積んでおくと、虫や微生物が分解して土に返してくれます。

大きな枝のままでは、分解されるまで非常に長い時間がかかってしまいますが、ある程度小さくしておくと、いつの間にやらなくなってしまいます。

 

積んでおいた山が大きくなりすぎたと思ったときに、山の下の方の土をたぐりだすと、肥料分も含んだフカフカの土に変わっています。

四隅を箱で覆わなくても、野積みにしていても分解は進みます。

穴を掘って、その中にどんどん埋めて行くこともできますが、穴なしでもOKです。

 

家庭菜園で人気の野菜【さつまいも】はツルまで活用

じゃがいもは、種芋の上に小芋ができますが、さつまいもは地中深くに芋ができるので、植え付けるときはツルを植え付けるだけで楽なのですが、収穫期になると、土が固いと収穫するのも一苦労になります。

土がよくても悪くても、地上部はワシャワシャ育ちます。

芋のつるには根ひげがないので、ネットに這わす場合、麻ひもでくくりながら手助けしないと上へと上へと伸ばすことができませんが、さつまいもでグリーンカーテンも可能です。

芋を太らせるためにツルは不可欠ですが、「さつまいもを収穫する」という目的のためには、ツルは余分でしかありません。

 

切り刻んで土に埋めると消えるけれど

秋に芋の収穫後、さつまいものツルは10~20cmくらいの長さに小さく切り刻んで、大きく穴を掘ったところに放り込み、上から土をかぶせておくと、よく春には土に戻っています。

切り刻み具合が粗いと、枝が混ざった土になってしまいますが、小さく切り刻んでおくときれいに土に戻り、消えています。

素晴らしいリサイクル過程だ!と思いますが、これがかなりの重労働です。

芋のつるはとても太く、植えた本数が多いと、大量で、全部切り刻むのは男性でも辛い作業になります。

 

芋のつるのきんぴら

採れたさつまいもは美味しいけれど、ツルの処分と収穫作業がネックだったので、なんとかできないか考えてみました。

三男の幼稚園のママ友から、「芋のつるのきんぴら」の作り方を教わり、ツルの一部を食用に回すことを覚えました。

芋のつるのきんぴらに使うのは、ツル全部ではなく、太く長いツルから伸びている20cmくらいの長さの、先端に葉っぱがついた茎のみです。

5cmくらいの長さに切りそろえたら、熱湯でさっと下茹でしてアク抜きします。

その後、ごぼうのきんぴらと同じように、油で炒めた後、みりんや醤油で味付けします。

ほんのり甘い、ごぼうとはまた違った味わいのきんぴらができます。

 

かごやリースを作る

きんぴらに使うツルはとてもやわらかいので、処分にもともと困っているわけではありません。

困っているのは、切り刻むのが重労働の、太く長いツルです。

 

うねうねして、あまりに長く、簡単には切れないさつまいものツル。

トゲすらないので、くるくる束ねるのも簡単です。

これを切らずに、とっておいて、かごを編んだり、リースを作ったりするのに活用できないか?と考えました。

 

乾いてしまう前にさっさと加工すると、柔らかいので簡単に加工できます。

時間がたったものも、水を含ませると柔らかくなるので、加工も簡単です。

欠点としては、しっかり乾かしておかないと、カビることがあること。

芋のつるの処分に困ったら、工作材料に活用してみてください。

カビたり今一つに状態になったら、もともと捨てるものだったので、躊躇しないで処分できることも魅力の一つです。

 

枝豆・とうもろこしは「お湯を沸かしてから畑に行く」

枝豆ととうもろこしは、収穫後できるだけすばやく加熱調理したほうが美味しい野菜なので、「お湯を沸かしてから畑に行く」といいます。

実際は、そんなことはしませんが、それくらい素早い処理が美味しさを保つ秘訣です。

自家栽培の野菜の美味しさがこれほど光る野菜はありません。

 

しかし、虫にとっても美味しいので、防虫ネットをつけておくなどの対策をしない場合、虫の入っていない実を選り分けるのは結構たいへんです。

苗から育てることも可能ですが、枝豆もとうもろこしも、種を直まきして栽培すると手間いらずで簡単です。

どうしても鳥に狙われやすいので、植付け後は敷き藁を厚めに敷き詰めておくなど、対策をしておくと、鳥に全部食べられずにすみます。

 

子供に草むしりを頼んだら

最近の小中学生は学校で草むしりなどしないのでしょうか。

子供に畑の草むしりを手伝ってもらおうとしたところ、快く引き受けてくれたのは良かったのですが、畑に到着後、「これ、抜いたらいいんだよね!」と声をかけられ、振り向いたら、芽が出たばかりのじゃがいもをわしづかみにしていました。

「それはじゃがいもだ!」と叫ぶと、「えー、じゃあこれ?」と次につかんだのは、苺の苗でした。

それは苺の苗だというと、「じゃあ一体、何を抜いたらいいんだ?」というので、具体的に草を指し示すと、「えーっ、これ?」とブツブツ言いながら抜き始めました。

「これじゃないんだ」とつぶやいているので、見たところ、ネギでした。

ネギと雑草の区別もつかないんでしょうか??

 

雑草がどういうものか、子供には理解できていなかったようです。

小中学校では、草むしりすることはないのでしょうか。

草むしりは、これからは子供に頼まないほうがいいのではないか?とも思いましたが、人として、雑草と野菜の区別もつかないのはいかがなものかとも思います。

「やってみせ、やらせてみせて、ほめてみせ」とも言うので、ぼちぼち、温かい目で眺めているしかないのかもしれません。

 

貸し菜園を返上するとき

どのような貸し菜園も、返上するときは更地に戻して返上します。

一度作物を作り始めると、常時どこそこに何かが植わっているので、すべてがなくなるようにするには計画的に作付けを減らしていく必要があります。

 

我が家の場合、最後は一面の草塞ぎのための苺の苗と、玉ねぎが残りました。

年末までに苺は抜いてしまい、土に埋め戻しました。

玉ねぎは、5~6月に収穫したいところなので、年度末の3月末ギリギリまで畑に植え付けておき、時期的には非常に早いのですが、3月の末にすべて抜いて、自宅の空いているスペースに移し、植えているものがない状態に戻しました。

畑の隅に、備中ぐわと鋤をおいておくために、大きな植木鉢2つを脚にして、その上に2m✕50cmほどのすのこを設置していましたが、のこぎりを持って行って小さく切り刻んで、農具とともに持ち帰りました。

 

貸し菜園を借り始めたときや、毎年の更新のときに、「来年は更新しないかもしれません。その時はどうしたらいいですか?」とJAの担当者に質問しました。

「更地に戻してください。手続きは必要ありません。更新しない場合、こちらから、念の為、確認の電話はします。ですから、何もしなくていいですよ」と言われていたので、更地にしてそのまま、放置していました。

 

子供が全員巣立ち、家に一人取り残され、一人で畑を維持するのも面倒だし、夫の単身赴任先と自宅を行き来する以上、畑の世話までしきれません。

とはいえ、自宅を留守がちだったため、JAの担当者の電話に出られるまで時間がかかったようで、確認の電話を受けたのは5月末頃。

連絡がつかなくて、迷惑をかけたようです。

何もしなくてもいいと言われていても、予め、電話しておいたら良かったかな、と思います。

 

【まとめ】土いじりは楽しいけれど贅沢な趣味

ガーデニング好きであれば、土いじり、家庭菜園は楽しい趣味になりますが、ある程度の経験を積まないうちは、同じ料金を出して野菜を買ったほうがはるかにいいものが手に入いります。

元を取る、収益を望むのであれば、週末ガーデナーでは全く手を掛ける量が不十分です。

作付面積も、もっと多くなくてはならず、最低でも2日おきには畑に行く必要もあります。

 

土いじりが好きではない人にはおすすめの趣味ではありませんが、種まきしたところから芽が伸びてきて、花が咲き、実がなる様子を見ると、心が沸き立ちます。

経験を詰んだ分だけ、耕作もうまくなっていきます。

気候の変動で野菜の値段が高騰しているとき、安定的に収穫があるから問題なく過ごせることも多々あります。

楽しいよ、いい事だらけだよ、いっぱい取れるよ!というのは、誇大広告になってしまいますが、それなりの楽しみはあります。

いいことばかりではないのですが、それでもやってみたい!と思う人には、挑戦しがいのある趣味になるのではと思います。

 

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