はじめてのガーデニングは土づくりから。植物を育てて土に触れあう。

お庭のスペースがあっても時間がないし、何から始めてよいかわからないのでそのままにしている人も多いのではないでしょうか。
でも、若い頃は興味がなかった土いじり、年齢を重ねると妙に心惹かれます。
野菜の値段も上がっているし、自分で育ててみようかな?と思ったらガーデニングをはじめる絶好のチャンスです。
果樹はすぐには収穫できませんが、野菜などは花もきれいで手入れはそれほど必要ありません。
草むしりは面倒ですが、食べ物系の植物は、観賞用の植物と違って、メンテナンスが少な目で育てやすいのではじめてでも挑戦しやすくなります。
お庭やベランダのちょっとしたスペースから始められるガーデニング、まずは簡単な野菜から始めてみませんか?
今回は土づくりについてご説明します。
何かを植える前にまず土づくり
雑草はどこにでも生えてくるのですが、植物の栽培にはそれぞれに適した土があります。
とにかく溝を掘って種まきすると、ある程度までは育ちますが、収穫するところまで行くとは限りません。
砂利をたっぷり含んで地固めされた土を掘り起こし、砂利を除き、腐葉土や堆肥などを混ぜて使える土に変える必要があります。
少なくとも30㎝以上の深さまで掘り返し土壌改良しておく必要があります。非常に重労働で手間がかかります。
そんな時はお住いの近くの園芸店に相談してみましょう。
小型の重機で土を除いて園芸用の土に入れ替える作業をしてもらえます。
残土処理料もかかり、広さによって料金は変わってきますが、半日ほどできれいに、よい土に入れ替えてくれます。
野菜を育ててみよう
野菜が高いから、まずは野菜を育ててみよう、これなら簡単そうだし無農薬の野菜が収穫できてちょうどいい、と思う方は多いものですが、肥料や苗、道具などに以外にお金がかかり、収穫時期を熟知しているベテランと違って、下調べしたとしても、野菜を買ってきたほうが品質も経費も安く済むのが実情です。
はじめから大収穫は望めないことを頭の隅に置いた上で挑戦してみましょう。
野菜は遠目に見ておしゃれではない
庭で野菜を育てると、おしゃれな庭とはいいがたい状態になります。
食べ物を作るにはやはり有機肥料を使うと生育状態も味もよくなりますが、においが強いものが多く、住宅密集地で使用するのにはためらわれることがあります。
野菜栽培にあったほうがいい道具
必要最低限の道具として、土を耕すために必要な「備中鍬」、畝を作ったり整地するのに必要な「鋤」、草ぬきを効率的に行うために「草ぬき道具」、この3点は必要不可欠です。
高い道具である必要はありません。手頃なものでも十分に仕事をしてくれます。
野菜栽培そのものよりも草ぬきに手間がかかる
野菜は、地植えで育てる場合、基本的には毎日の水やりは必要がありません。
こまめに水やりすると、水がないと育たなくなってしまいますが、ない状態でスタートすると、水やりしなくても育ちます。
たいていの苗の植えつけのときと、種が育つ間は水は欠かせませんが、栽培期間はなるべく放置します。
キュウリや葉物など、水を好む野菜のみ様子を見て時々水やりします。
苗が育たなくても、雑草はなぜかぼうぼうに伸びていきます。
野菜にかける手間よりも、雑草を抜く手間のほうが大変です。
ローリスクハイリターン野菜はジャガイモ・玉ねぎ・ミニトマト
ジャガイモは植えつけ時も含めて栽培期間中水やりが全く必要ありません。
種芋より上に芋ができてくるので、抜くのも非常にカンタンです。はじめてでもそれなりの収穫ができるので一番のおすすめ野菜です。
次におすすめは、苗の植えつけ時に水やりしますが、栽培期間中全く水やりが必要ない玉ねぎです。
市販の玉ねぎより大きく育つことはまれなので、苗は密に植えることができます。
種からも育てられますが、初心者は苗からが失敗しません。
トマトは失敗が多い野菜ですが、ミニトマトは放置していてもどんどん収穫できます。
やはり苗の植えつけ時以外は水は必要ありません。
翌年、同じところから勝手に新しいミニトマトが育ちます。一度植えたらずっと大量に収穫できるスグレモノです。
果樹を育ててみよう
果樹は植えつけ時に大きな穴を掘って肥料をしっかり入れたうえで植えつける必要がありますが、一度植えるとだんだん育ってきます。
すぐには収穫は望めませんが、手数をかけなくても成長していくので、収穫もしたいけれど十分に時間がかけられないような人にはうってつけの植物です。
庭植えでの果樹栽培は基本的には水やり不要
庭植えにした場合、植えつけるときにしっかりと水をあげますが、それ以降は基本的には水やりは必要ありません。
肥料も毎月あげる必要がありません。収穫できるようになるまで数年の年月は必要ですが、手数は必要ありません。
無農薬で育てたいから虫チェックは欠かさずに
自家栽培の果樹にはなるべく農薬はかけたくないものですが、無農薬で育てていると虫には格好のえさ場になるので、実がならないうちから虫のチェックは欠かせません。
毛虫だらけになったら農薬を散布しても十分に効果が発揮できないので、切るしかなくなってしまうときもあります。ときどき虫のチェックをするのは欠かさないようにしましょう。
おいしい実は鳥にもおいしい
無農薬で育てた果樹はとてもおいしいので、鳥にも狙われます。
朝早くに鳥は行動するので、防鳥ネットをつけたうえで、早起きして収穫するようにします。
ガードが甘いと食べようと思ったときにはなくなっていることもあります。
ポット苗はポットを外して、根巻苗はそのまま植える
ポット苗はポリポットを外して植えつけます。
むしろやわらなどが巻いてある根巻苗は、そのまま植えつけられます。
大きめの穴を掘って、十分に堆肥などを混ぜ込んだうえに土をかぶせてから苗をセットして、土を戻します。
根に直接肥料が付くと根腐れすることがあるので、堆肥などを混ぜた土の上に土をかぶせてから苗をセットします。
植えつけ後、たっぷりと水をやり、グラグラするときは支え棒をしばらくつけておきます。
果樹は食べた後の種からも育てられる
実を食べた後に出てきた種から果樹を育てることができますが、収穫までは苗から育てるよりももっとずっと年数がかかります。
桃栗三年柿八年などと言いますが、実際はもっとかかります。
時間はかかるものの、果樹なので、手数はかかりません。
気長に育てる楽しみもあります。
バラや草花を育ててみよう
種をアトランダムにまけばなんでも育つと思いがちですが、一番手がかかるのはバラや草花を育てる場合になります。
それなりに手をかけ、肥料をしっかりと施さないと花も咲きません。
虫が付きやすいので、薬剤散布が欠かせません。
春秋の毎日、夏場の朝夕の水やりは欠かせない
野菜と違って、バラや草花は水切れに弱く、春や秋は毎日、できれば午前10時までに水やりします。
夏場は様子を見て、夕方にも水やりをする必要があります。
乾燥を好む品種は土が乾くまで水やりしない
草花全てが水がないと育たないわけではなく、乾燥を好む品種のものは、土が乾く前に水やりをすると根腐れしていつの間にかなくなってしまったりかれてしまったりします。
乾燥を好む品種は土が乾いているのを確認したらたっぷりと水をあげます。
メリハリのある水やりが必要です。どういう品種のものを育てているのか、確認しておく必要があります。
食べるわけではないから扱いやすい化学肥料でにおいなし
草花もバラも食べないので、化学肥料で育てると、においが少なく、それぞれの植物に適した配合の肥料を与えられて成育もよくなるので、有機肥料にこだわる必要がなくなります。
住宅密集地ではにおいの事を考えると化学肥料がおすすめです。
バラの冬に与える肥料「寒肥」は、ゆっくりと効いてくる有機肥料が有効です。
冬は窓を開け放している人も少ないので、穴を掘って有機肥料を埋めて置けばその後の臭い漏れも少なくなるので、このときだけは有機肥料がおすすめです。
宿根草なら一度植えたら毎年咲くけれど一年草は毎年植え替えて
1度植えつけると、冬地上部が枯れても毎年芽を出し花をさかせてくれる宿根草と、花が終わって枯れたら植え替えないと終わってしまう一年草があります。
全部一年草にすると毎年の植え替えが大変なので、宿根草を随所に使うと作業が楽になります。
バラは虫対策と肥料を与えるのが大変ですが、一度植えると何年も育っていくので、植え替えの手間はあまりかかりません。
まとめ
ガーデニングは何を植えるかで作業量は変わってきますが、最初に土づくりが欠かせないのは同じです。
土が園芸向きではない場合は、まずは土を入れ替えたり土壌改良してから園芸作業を始めます。
プロに頼むとある程度の出費はやむをえませんが、自力で掘り返す作業は並大抵ではできないので、ここだけはプロ任せをおすすめします。
始めるならまずはバラはいかがですか?
初心者向けにバラの育て方をまとめましたのでこちらも参考にしてくださいね。