虫歯予防に効果があるというキシリトール 効果は本当?

虫歯予防に効果があるというキシリトールですが、果たして本当に効果があるのでしょうか?
また、キシリトールとはどんなものなのか、キシリトール配合のガムの種類とその違いについて調べてみました。
単にキシリトールが入っていれば虫歯予防に効果がるのかというとそうではないようですので、この記事を参考に虫歯予防に効果のあるキシリトール製品を手にするようにしてください。
また、同様に虫歯予防に効果があるといわれている、フッ素との違いについてもまとめました。
80歳まで20本の歯を残せるように虫歯予防を心がけましょう~
キシリトールとは
キシリトールは天然由来の甘味料です。原料はシラカバやカシなどで主に北欧のフィンランドが原産国です。
一般的な食物にも含まれており、イチゴやラズベリーなどのベリー系や、レタス、ホウレンソウなどにも含まれているそうです。
また肝臓でもキシリトールは生産されており、体内摂取への安全性はWHOも認めているものです。
甘味料ですので、砂糖と比べることとなりますが、砂糖の主成分であるスクロースと比べると、甘味は同等で、カロリーは60%程度といわれています。
砂糖の代替甘味料ですが、甘味料としてより虫歯予防効果に注目されており、関連の商品もたくさん販売されています。
スクロースより吸収速度が遅いため、血糖値の急上昇や、それに対するインスリンの反応を引き起こさないため糖尿病を患う方にも糖の摂取の代わりに良いようです。
キシリトールの効果
虫歯の原因となる砂糖の代替甘味料
虫歯とは虫歯の原因となる虫歯菌(ミュータンス菌)が酸を生産し、酸により歯の主成分であるカルシウムが溶け出す現象です。
ミュータンス菌は糖分などの栄養を分解して酸を作り出しますが、キシリトールでは酸が作られません。
口内環境が酸性に傾かなければ歯の脱灰(カルシウムが溶け出す現象)は発生しません。
虫歯菌がキシリトールを食べて死滅する
ミュータンス菌は栄養素として砂糖の代わりにキシリトールを取り込みますが、取り込んでも生きていくエネルギーにすることができずに菌は死滅していきます。日常的にキシリトールを摂取しているとミュータンス菌の数が減って、口内環境が良くなっていきます。
甘味による唾液分泌効果
飴をなめたりガムをかむと唾液の分泌は高まりますが、キシリトール特有の清涼感から唾液分泌効果はさらに高いそうです。
キシリトールは糖の分解による酸を出しにくくすることが主目的であり、虫歯菌を少なくすることは副産物的なものです。
虫歯菌を少なくするのに効果が高いものに『BLIS M18』というものがあります。
『BLIS M18』についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
キシリトール製品の選び方
虫歯の原因となる他の成分が入っていないものを選ぶ
キシリトールには虫歯の菌を弱らせる働きがありますが、他に虫歯菌の餌になってしまう成分が入っていると虫歯菌を減らすことができず口内環境が改善されず口内が酸性になってしまい、灰化の原因となってしまいます。
基本的にはノンシュガー・シュガーレスのものを選べば問題ありません。
ちなみにノンシュガーとシュガーレスは以前は意味合いが違っていましたが現在は同じ意味です。
キシリトール含有量が多いものを選ぶ
他の成分が入っていないことはもちろんですが、キシリトール成分の含有量にも着目しましょう。
一般の店舗ではあまり見かけませんが「歯科専用」としてキシリトール100%のものも販売されています。
amazonなどのネット通販で購入できます。
市販のキシリトールガムよりは若干割高ですが、虫歯予防と割り切れば決して高くないと思います。
市販の場合も日本歯科医師会推奨の商品を選ぶと安心です。
おすすめのキシリトール製品は?
ここではあえて歯科専用の製品で比較してみます。
各社で一般のガムとは別に「歯科専用」という製品を販売しています。
一般ではなかなか手に入りませんが、取扱歯科医院もしくはAMAZONなどの通販サイトで販売しています。
製品 | 歯科専用 XYLITOL(キシリトール) |
歯科医院専用 リカルデント |
歯科専用ガム 『 POs-Ca F(ポスカ・エフ) 』 |
主要甘味成分 | キシリトール | マルチトール | マルチトール |
脱灰防止成分 | キシリトール | キシリトール | キシリトール |
再石灰化促進成分 | フノラン、 リン酸カルシウム |
リカルデント(CPP-ACP) | POs-Ca(リン酸化オリゴ糖カルシウム)、 緑茶エキス(フッ素含有) |
特徴 | キシリトールの含有量が一番多い(100%) 再石灰化成分が市販品より多い |
ニューパッケージになってキシリトールの含有量が大幅減(比較製品内で一番少ない) CPP-ACPが牛乳由来のため牛乳アレルギーの方はダメ! 味がまずくなったという口コミも多い |
フッ素、POs-Caが唾液に溶け出して再石灰化を促す |
リカルデントに含まれる「牛乳由来成分CPP-ACP」は、歯の脱灰を抑える働きと共に、再石灰化による修復をより強化してくれる成分です。
この成分により、この「リカルデント」も初期の虫歯の修復に効果があるとも言われています。
個人的には「キシリトールガム」か「ポスカ」がおすすめですが、「リカルデント」も味がお好みであれば比較的値段が安いので良いかと思います。
どの製品も歯科専用で日本歯科医師会や他の関連団体が推奨していたり、実験の結果再石灰化の効果が実証されていたりするものですので安心できるものだと思います。
我が家では「歯科専用XYLITOL(キシリトール)」をAMAZONで購入しています。
こちらです。
味の変化も楽しめるので3種類のセットがおすすめです。
お気に入りの味が決まれば次回からはそれをセットで購入してもよいですね。
いずれにしても長く使用するものなので大人買いが安く購入する秘訣です。
歯磨き後にキシリトールを行き渡らせ、再石灰化成分を脱灰している部分に送ってあげるため、歯磨き後に食べるのが一番効果的です。
ただしフッ素入りの歯磨き粉を使用している場合はガムをかむことで付着したフッ素を落としてしまうこともありますので注意が必要です。
効果の期待できる使用方法
せっかくですから効果の期待できる摂取方法、タイミングで利用したいですよね。
諸説ありますが、一日5回以上摂取するとよいようです。
また、かみ方としては、、、
5分間噛み続ける
その間できるだけ唾液を飲み込まない
のが良いです。
きちんと口内にキシリトールを行き渡らせること、一定時間キシリトールを口内に滞在させることが虫歯予防に必要となります。
一番効果的なのは歯磨き後と就寝前です。
それぞれ、歯垢が一番少ないとき、口内環境が一番悪くなる就寝中の口内環境をできるだけ予防するためです。
キシリトール摂取で注意すること
意外とカロリーが高い
キシリトールは砂糖に比べるとカロリーは低いですがそれでも砂糖の60%ほどのカロリーがあります。
そのため食べ過ぎるとカロリーの取りすぎとなりますので注意が必要です。
おなかが緩くなる
キシリトール配合のガムなどに注意書きとしてもありますが、たくさん(1日にキシリトール量20~30g以上)とりすぎるとおなかが緩くなることもあります。
ただし、これらの現象は一過性のものであって体に害はありません。
キシリトールだけでは虫歯予防が完ぺきではない
キシリトールは口内虫歯菌の餌となり虫歯菌を弱らせる働きがありますが、虫歯菌のすみかとなるプラークは直接除去できないので、毎日の歯磨きも並行して行わなければなりません。
また、キシリトール自体には歯の再石灰化の効果はありませんので、カルシウム成分を補うと唾液のミネラル分と合わせて再石灰が促進されます。
上記でご紹介したガム製品はそれぞれ再石灰化の成分が含まれています。
フッ素とキシリトールの違い
フッ素と聞くと薬のようなイメージがありますが、普通に自然界に存在し、わかめ、海苔、魚介類、小魚、お茶などにも多く含まれるミネラルの一つです。
フッ素には歯質を強くし、プラークの生成を抑え、歯の再石灰化を進めるなどの虫歯予防効果が認められており、歯医者さんでフッ素液を塗ったりスプレーしたりしたことがある方は多いと思います。
また、一般的にはフッ素入り歯みがき粉・フッ素入りうがい薬などが市販され使用している方も多いと思います。
アメリカでは州によって、水道水にフッ素を加えたりしているそうです。
一方キシリトールは虫歯菌から酸を形成させない、唾液分泌効果が高いなど、虫歯予防効果は高いものの歯の再石灰化などの効果はありません。
キシリトールの摂取を続ければ、プラーク形成が約50パーセント抑えられ、また唾液分泌が促進され、口腔内の防御機構の活性が高まります。
そして唾液分泌が高くなるため口内の可溶性カルシウムが増加し、カルシウムによってエナメル質の再石灰化が促進されていきます。
キシリトールガムに再石灰化のためのカルシウム成分が入っているので再石灰化を冗長します。
それぞれの特徴を理解して使い分けると効果が高まると思います。
まとめ
いかがでしたか?
キシリトール製品は市販されている商品にではキシリトール成分の配合が少ないため、その効果が薄いといわれています。
きちんと虫歯予防をするためには歯科専用のキシリトール製品を購入することが大切です。
歯医者さんで買うと高いかもしれませんが、amazonなどでまとめ買いをすれば安く手に入れられますので、ネットでの購入もおすすめです。
長く使うものですから、少しでも安く手に入れたいですね。
キシリトールガムなどでプラークコントロールを行い、口内環境を中性に保ち虫歯菌の活性少しでも弱めましょう。
また、歯科医による、定期的な歯石除去、若い頃に治療した虫歯も定期的に詰め物のチェックなどを行い、必要であれば詰め物を詰め替えたり、ブリッジの架け替えなど定期的なメンテナンスを行うことで、口内環境の健全化が図れます。
何事も予防が大切なんです。
80歳まで20本の歯を目指して皆さんもメンテナンスに心がけてくださいね。