メンタル不調だけど精神科は行きにくい!心療内科でも大丈夫?

心の不調を感じた時、あなたは何科を受診しますか?

心の不調を扱う医療機関には、「精神科」「心療内科」など病院ごとに標榜している診療科が違いますよね。

一体、自分の抱えている症状はどの診療科に行けば良いの?…と悩みませんか?

結論を言うと… 心の不調には「精神科」「心療内科」どちらに相談に行っても大丈夫なことが多いです。

基本的には専門医や取り扱う病気が違うため、より専門的な相談や治療を希望する場合は、症状に合った診療科の受診をおすすめします。

今回は、心の不調があるときに相談できる「精神科」「心療内科」の違いや受診のタイミングについてお伝えします。

 

心の不調とは・・?

 

私たちの生活の中にはストレスがたくさんあり、避けられないことも多いですよね。

皆さんも多かれ少なかれストレスを抱えていると思います。イライラや不安など日常的に感じていることはありませんか?

 

心の健康はストレスの感じ方によって違ってきます。

同じ環境下で同じストレスを受けた場合でも、人によってストレスの影響はさまざまです。心の不調はこのストレスが自分では受け止められなくなったときに現れます。

 

誰にでも心の不調は起こります。

「自分はストレスに強い」などと心の健康に自信がある人も注意が必要です。

なぜなら、心の不調には、心そのものに症状が現れる場合と身体に症状が現れる場合があるからです。

心の健康に自身がある人は身体に不調が出てしまうことが多いですね。

 

私たちの体調が良い時も悪い時もあるように、心にも良い時と悪い時があるのは、誰にでもある当然なことなのです。

 

心の不調にはさまざまな症状がある

精神的な不調

何もする気になれない、億劫になる
イライラしたり、焦ってしまう
不安や緊張が強い
周囲の視線が気になる
考えがまとまらない
物忘れが気になるなど

身体的な不調

眠れない、寝付きが悪い、夜中に何度も目が覚める
頭痛や頭が重い感じがする
胸が締めつけられる感じがする
動悸や息苦しくなる
食欲がない
疲れやすい、疲れが取れないなど

心の不調は、ほっておくと慢性化してしまうために早めの対応が必要となります。

 

調子が良くないと感じたら、まずはゆっくりと休んでみることや気分転換して心をリフレッシュさせてみましょう。

そして必要な場合は医療機関で専門的な相談・治療を行うようにしてください。

 

精神科と診療内科の違いは?

 

精神科と心療内科は基本的に扱う病気(治す病気)に違いがあります。
(精神科と神経科は同じです。病院によっては精神神経科となっているところもあります)

 

精神科は「心(精神)の病気」を扱う診療科になります。そのため「精神疾患の専門家」である精神科医が診察し、心そのものを治療していきます。

一方、心療内科は、内科の領域に含まれます。

心(精神)の原因が引き起こす「身体の病気(心身症)」を扱う診療科になります。

したがって、心療内科医というのは「心身症(身体疾患)の専門家」になり、身体症状を治療していきます。

 

しかし、実際は、心と身体の症状が明確に分かれているわけではなく、一緒に現れることが多いため精神科も心療内科もほぼ同じ病気を扱っているのが現状です。

そして、両者とも心(精神)が原因となって症状が現れるために精神科医も心療内科医もお互いの領域の病気も対応でき、一定水準の医療を受けることが可能です。

また、精神科へのマイナスイメージから敷居が高く、なかなか相談しに行きにくいと感じてしまう方が多いので、今は精神科と心療内科の両方を掲げている医療機関が多くなってきています。

 

精神科ってどんなところ?

 

精神科は「心の病気(精神疾患)」を専門に扱う診療科です。

心の不調が原因となり、不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想といった精神症状が現れます。

このような症状が現れた場合は、症状が軽くても精神科の領域になります。

また、身体症状を伴う場合もありますが、基本的に心の症状が強ければ精神科になります。

 

精神科の主な心の病気(精神疾患)

・うつ病

憂うつな気分や意欲の低下、思考力や判断力の低下などの症状が見られます

・躁うつ病

気分がとても高ぶり行動的な時と気分が落ち込み無気力な時など浮き沈みが激しく自分では コントロールができなくなります

・統合失調症

幻聴や幻覚などが現れたり、話にまとまりがない、意欲の低下などの症状が見られます

・適応障害

ある特定の状況や出来事が強いストレスとなってうつ状態や不安などの症状が現れ日常生活に支障をきたします

・社会不安障害

人前で何かをする時に強い緊張や不安を感じ、苦痛からその場面を避けようとします

・パニック障害

突然起こる動悸、発汗、過呼吸などのパニック発作という強い不安症状を繰り返します

 

こんな症状がみられる場合は精神科に相談してみましょう

・抑うつ、イライラすることが増えた
・気分が落ち込んで何もする気にならない
・不安感が強く、パニックになってしまう
・気分の浮き沈みが激しく自分ではコントロールできない
・記憶力や集中力が低下してきた、など

 

心療内科ってどんなところ?

 

心療内科は「心に原因がある身体の病気(心身症)」を扱う診療科です。

心の不調が原因ではありますが、症状は循環器、呼吸器、消化器、神経筋肉・泌尿器など身体のあらゆる領域に現れます。

例えば、激しい動悸、お腹の不調(下痢・便秘)、血圧上昇、喘息など、一見すると普通の内科の症状に思えるものばかりですね。

しかし、身体症状なので検査で異常が認められる場合でも原因が心にある場合は心身症となります。

また、検査で異常がないと言われたにもかかわらず、症状が続く場合や強いストレスを感じる出来事があった場合なども心身症の可能性があります。

 

心身症の一例

・呼吸器   気管支ぜんそく、過換気症候群

・循環器   本態性高血圧症、起立性低血圧症、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)

・消化器   胃・十二指腸潰瘍、心因性嘔吐、過敏性腸症候群

・内分泌代謝 神経性食欲不振症(拒食症)、神経性過食症

・神経筋肉  自律神経失調症

・婦人科   更年期障害などがあります

 

こんな症状がみられる場合は、心療内科に相談しましょう

・動悸、息苦しさがある
・耳鳴りやめまいがする
・疲れやすい、疲れがとれない
・ほてり、発汗、しびれなど

 

受診のタイミングは?

 

心の不調は、頭痛や不眠、息苦しさなどの身体症状として現れると自分でも気づきやすいよね。

しかし、憂うつな気分、イライラ、集中力がないなどの心(精神)の症状として現れてしまうと漠然としているために、自分でなかなか気付くことができない場合やたいしたことないと軽く見てしまうことが多く、不調を見逃してしまう可能性があります。

 

こんな時は、思い切って医療機関へ相談に行きましょう

2週間以上症状が続く場合

誰でも落ち込んだり、何もやる気がおきなかったりと心の不調を感じることはあります。

正常範囲内であれば、不安定な気分が強く現れても2週間程度で何らかの改善が見えてきます。

しかし、2週間以上たっても全く改善していると感じられない場合や悪化していると思われる場合は受診を検討する時期といえます。

 

改善方法が見つからない場合

心の不調を感じても時間の経過とともに症状が改善してきた場合や、改善させる方法が自分でわかっている場合などは、少し様子を見ても良いかもしれません。

しかし、症状が変わらない場合や自分ではどうしたら改善できるのかわからない場合は、医療機関へ相談してみましょう。

 

生活に支障が出ている場合

心の不調が、生活に支障をきたしている場合は早めの受診が必要となります。

何もやる気がおきなくなって仕事や家事ができない(休んでいる)、今まで出来ていたことが全くできない(食事、入浴、整容など)、楽しいことがない・・・などこのような状態の場合は時間が経つと症状が悪化してしまう場合があるので早めに対応しましょう。

 

まとめ

 

精神科や心療内科の違いや受診のタイミングなどが少しはわかってもらえたでしょうか?

自分が抱えている症状が精神科と心療内科どちらが良いかわからない場合は、一度医療機関へ連絡して相談しても良いですね。

また、自分では心身症かどうかわからない場合もあるので、かかりつけの内科などがある場合は、そこで相談してみてください。専門科へ紹介してくれますよ。

心の不調は自分の心身からのメッセージです。日頃から自分の心身を気にかけ、少しでもいつもと違う様子を見逃さないようにしてくださいね。

 

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