突然現れる更年期障害の「めまい」に備える!原因と対処法・予防法

更年期障害の症状の中で「めまい」は初期の段階で起こりやすい症状の1つで多くの女性が経験すると言われています。
めまいがする頻度は個人差があり、多い方では1日に何度もめまいをし、日常生活に支障をきたすこともあります。
今回は、更年期障害のめまいの原因やめまいがした時はどのように対処したほうが良いかなどご紹介していきます。
めまいの原因
更年期障害の症状は、女性ホルモンのエストロゲンが減少し、ホルモンのバランスが乱れることによって起こります。
更年期障害のめまいもホルモンバランスの乱れから自律神経が乱れ、血圧が安定しなくなる為めまいの症状がでると言われています。
めまいの種類
めまいには感じ方によっていくつか種類がありますので1つずつご紹介していきます。
回転性めまい
回転性のめまいは、天井や壁がぐるぐると自分の周りを回っているように感じるめまいです。
真っすぐ立っていることができない事もありまし、横になっていても回っているように感じるので、吐き気を感じる方もいます。
回転性めまいはすぐに治まりますが、1日に何度も起こります。
回転性めまいは、カルシウム不足に陥ることで三半規管の中にある耳石と呼ばれる炭酸カルシウムの粒が剥がれ、三半規管を刺激することで起こると言われています。
浮動性めまい
浮動性めまいは、自分がフワフワと浮いているような感覚になるめまいです。
浮いている感覚なので、真っすぐ歩けないこともあります。
この浮動性めまいは、すぐには治まらず数時間続く方もいます。
浮動性めまいは、自律神経の乱れや高血圧、ストレスなどが原因で起こると言われています。
立ちくらみ・眼前暗黒感
立ち上がった時にクラッとして目の前が暗くなったりします。
こういった経験は更年期でなくても経験したことがあるという方もいるのではないでしょうか。
立ちくらみ・眼前暗黒感は血圧が低い人や貧血気味の人に起こりやすいめまいです。
めまいが起きたときの対処法
めまいがした時は安静にする事が1番の対処法になります。
家にいるときであれば横になり、電気やテレビを消して目や耳から入る刺激をシャットダウンし身体を休めましょう。
外出中にめまいがした場合、無理して歩くと転倒してしまう恐れがありますので、その場にゆっくりとしゃがみめまいが治まるまで待ちましょう。
めまいがしたら病院へ
すぐに治まるようなめまいでも1日に何度もめまいがしたり、めまいが続くようなら我慢せず1度病院を受診することをおすすめします。
めまいの症状がでる病気には、更年期障害以外にもメニエール病や脳の病気などの可能性もあるからです。
めまいがした場合は、更年期障害の症状と決めつけず、耳鼻科や脳神経外科を受診し更年期障害以外の病気が隠れていないか1度検査してもらいましょう。
更年期のめまいの予防法
更年期障害のめまいの予防は、日常生活の中でもできますのでご紹介します。
更年期のめまいの予防法①睡眠
十分な睡眠は、心身の疲労を回復させる働きがあります。
睡眠不足は自律神経の乱れやうつなどの原因にもなりますし、生活習慣病のリスクが高まるとも言われています。
めまいだけでなく、自律神経の乱れを整えたり、生活習慣病のリスクを減らすためにも日ごろから十分な睡眠を取るよう心がけましょう。
更年期のめまいの予防法②食事
更年期障害のめまいは食事を改善するだけでも症状を軽くすることができると言われています。
更年期に必要な栄養素は、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボン(大豆製品)、脳の働きを正常に保ちめまいの予防効果が期待できるビタミンB1(豚肉や玄米)、神経を正常に保つ働きがあるビタミン12(さんま、牡蠣)、自律神経のバランスを整え血流を良くしてくれるビタミンE(アボカド、ナッツ類)、血流をよくするEPA・DHA(青魚)、ホルモンバランスを整え精神的な不調を緩和してくれるカルシウム(乳製品、煮干し、干しエビ)などの栄養素を意識して普段の食事に取り入れるようにしてみましょう。
また、味付けは薄味を意識し過度な塩分摂取は避け、カフェインの摂りすぎにも注意しましょう。
更年期のめまいの予防法③軽い運動をする
ジョギングなどの激しい運動はかえってめまいを悪化させてしまう事もありますので、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動を行い、身体に負担をかけない程度の刺激を与えてあげましょう。
また、更年期は筋力が低下しやすいのでインナーマッスルを鍛えてあげるのもいいでしょう。
更年期のめまいの予防法④アロマの香り
人間は、匂いで自律神経をコントロールしている脳の視床下部という部分に直接刺激を与えることができると言われています。
ですから、リラックス効果のあるアロマの香りを嗅ぐことで、ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える効果が期待できます。
使い方は、湯船に1~2滴垂らしてアロマバスにしても良いですし、就寝前にハンカチやティッシュに1~2滴垂らして匂いを嗅いだり、アロマオイルを染み込ませたハンカチやティッシュを枕元に置いて寝ても良いですね。
また、アロマランプやアロマ加湿器を使うと部屋全体がいい香りに包まれて、よりリラックスできるのではないでしょうか。
更年期障害のめまいや他の症状をやわらげてくれる効果が期待できるアロマは以下のようなものがあります。
〇ラベンダー・・・リラックス効果や安眠効果、身体を温める効能もあり冷え性にも効果的
〇ネロり・・・ストレスによる体調不良の改善
〇イランイラン・・・不安やストレスから解放してくれる
〇ゼラニウム・・・鎮静効果や女性ホルモンのバランスを調節してくれる
〇ローズマリー・・・血行促進や鎮静効果
〇ジャスミン・・・気分を落ち着かせ、うつ状態を緩和し活力を導き出してくれる
〇クラリセージ・・・女性ホルモンのバランスを整え、イライラをやわらげてくれる
〇ペパーミント・・・血行を良くする効能があるので、冷え性やむくみ、のぼせをやわらげてくれる
更年期のめまいの治療法
更年期のめまいの治療は、医師と相談しながら行います。
更年期障害の治療に使われる薬には、以下のようなものがあります。
〇自律神経調整薬・・・自律神経を整える効果があり、特に重い副作用もない薬ですが、自律神経の乱れがひどい場合や更年期障害の症状が悪化している方に処方されることが多いようです。
〇ホルモン剤・・・減ってしまった女性ホルモンを補うための薬で飲み薬と身体に張るタイプのものと2種類あります。
薬の種類には、エストロゲン剤とプロゲステロン剤があり、どちらかを処方されたり、症状や期間によっては両方処方されることもあります。
ホルモン剤は即効性がありますが、不正出血や下腹部の痛りみといった副作用もあります。
〇漢方薬・・・漢方薬は副作用が少なく、体調に合わせた漢方を組み合わせて処方してもらえます。
効果を実感するまでに時間はかかりますが、長期的な服用に向いている薬になります。
まとめ
1度めまいを経験すると、いつまためまいがするか不安になり外出するのもイヤになってしまいますよね。
しかし、その不安な気持ちがさらに症状を悪化させてしまう原因にもなってしまいますので、我慢せず病院を受診し医師に相談してみましょう。
また、更年期のめまいにも種類がありすので、自分のめまいがどの種類か知っておくことは治療をする上で大切になります。
自分はどの種類のめまいで、めまいが起こる頻度はどの位かなど把握しておくと医師とスムーズに治療を進めていけると思います。
更年期のめまいと上手に付き合って、楽しく実りのある毎日を過ごしましょう。