心の病気について よく見られる病気の種類と3つの症状

最近、自分の健康に関心を持つ人が多くなってきていますね。

テレビや雑誌などでもさまざまな健康に関する情報が溢れています。

心の健康についても関心が高まってきていますが、心の状態を把握することは身体の状態に比べて難しいものです。

 

そのため、心の健康を保つには心の病気について正しく知ることです。心の病気を知ることで予防ができ健康を維持できます。

「最近調子が良くないな、心の病気かな」と悩んでいる本人だけでなく、家族や周囲の人達も心の病気を理解していれば早めに気づき対応することができます。

今回は、心の病気の中でも多く見られる病名と3つの症状についてお伝えします。

 

心の病気ってどんなもの?

近年、心の病気にかかる人が増えてきています。

日本人のおよそ40人に1人が心の病気にかかり、病院に通院・入院をしているそうです(平成20年厚労省)。

そして、生涯を通じて5人に1人が心の病気にかかるとも言われています。心の病気は特別な病気ではなく誰にでもかかる可能性のある病気です。

 

心の病気について関心が高まっていますが、まだまだ十分理解されているとは言えません。

心の病気には抑うつ状態が見られるので「心の病気=うつ病」とイメージしてしまうことが多いですが、うつ病以外にも多くの病気があります。

 

心の病気の種類や症状をきちんと理解していないと「心の調子が良くないな」と感じてもうつ病の症状は見られないから大丈夫などと思い、症状を悪化させてしまう可能性もあります。

心の病気は、早めに気づき対応することで多くの場合、症状が改善します。心の病気の初期症状を見逃さないようにきちんと理解しておきたいですね。

 

心の病気の原因

心の病気にかかる原因は1つではなくさまざまなものが重なり合っています。

そのため、はっきりと「〇〇です!」ということができません。

しかし心の病気の大敵はストレスです。

ストレスは全ての心の病気の原因にもなっていますし、症状を悪化させてしまう原因でもあります。

 

ストレスとは、外部の刺激(不快な刺激)によって反応する心と身体の状態のことです。

私たちがストレスと感じる不快な刺激には、悪いことばかりではなく、良いこともストレスになります。

 

日常で起こる多様な変化に対して自分が不快に感じたら、それはストレスです。

心はストレスにとても弱く、強いストレスを受けたり溜め込んでしまったりすると心の病気を引き起こし、身体の不調や生活にまで支障をもたらしてしまいます。

 

心の病気の種類(病名)

 

一言で「心の病気」といっても種類がたくさんあります。

病名が同じでも人によって原因や症状が違ったり、また、病名が違っても症状が同じだったりと身体の病気とは異なり複雑です。

つらい症状を始め、その人を取り巻く環境はどうなのか、体質や性格などの個人的な要因はあるのか、生活にどのくらい支障が出ているかなど総合的に診断されるのが心の病気です。

そのため、ここでは一般的に働く人に多く見られる「心の病気」の種類(病名)についてお伝えします。

 

気分障害

うつ病

憂鬱な気分になる、意欲がわかない、何をしても楽しくない、眠むれない、食欲がないないなどの症状が現れます。

思考力や集中力も低下し、悲観的な考えをするようになります。

双極性障害(躁うつ病)

うつ病の症状に加えて気分が高揚してくるために、何日も寝ないでも平気だったり、過活動的になったりする症状が繰り返し見られます。

 

不安障害

適応障害

特定の状況や出来事が本人にとってつらく耐えがたく感じられるために精神症状、身体症状、また生活・行動面に症状が現れます。

抑うつ状態、不安感、イライラ感、倦怠感、頭痛などの症状の他に、無断欠席、暴言や暴力的になったりする症状なども見られます。

社交不安障害

大勢の前でのスピーチなど不安や緊張が強い場面において動悸や震えなどの症状が現れます。

誰でも不安や緊張しますが、社交不安障害の場合はとても強い苦痛のため、そのような場面を避けるようになり、次第にに生活に支障が出てしまいます。

パニック障害

突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、息苦しさ、手足の震え、吐き気などの症状が現れます(パニック発作)。

自分ではコントロールすることができず、死んでしまうかもしれないと思うほど強い不安に襲われます。

そして、また発作が起きてしまうのではと不安になり発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。

強迫性障害

自分の意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考え(強迫観念)と、ある行為をしないでいられない(強迫行為)という症状が見られます。

自分でも意味のない無駄なことだと思っていても、そのことが頭から離れない、何度も同じことを確認したり行動したりしないと不安で気が収まらないために生活に支障が生じます。

鍵をかけたかどうか不安で何度も確認するため、外出できなかったり時間に遅れてしまったりするなどの症状です。

 

心の病気の3つの症状

心の病気には良く見られる症状がいくつかあります。精神的な症状だけでなく、身体面や生活・行動面にも症状が現れます。

そのため、本人が気づく症状と本人は気づいていないけれども家族や周囲の人が気づく症状があります。

 

早めの予防や治療に結びつけるためには、心の病気で悩む本人だけでなく、家族や周囲の人も症状を知っておくと良いですね。

 

身体症状

心の病気は身体症状を伴うものが多くあります。

「身体に異常はないけれど調子が悪い」と悩んでいたら、実は心の病気だった、ということもよく見られます。

身体症状には疲労感や頭痛、肩こりなど日常的に見られる症状が多いため、軽く捉えてしまう場合が多いので注意が必要です。

疲労感や倦怠感

疲労感や倦怠感がある場合は、十分に休息をとりましょう。休息をとっても改善しない場合は心の病気が原因かもしれません。

うつ病を始め、不安障害などの強い不安や緊張のため心身の疲労や倦怠感が現れている場合もあります。

動悸・めまい・頭痛

ストレスによって自律神経バランスが崩れると動悸やめまい、頭痛などの症状が見られることがあります。

強いストレスを感じるパニック障害や社交不安障害などに多く見られます。

睡眠障害(不眠・寝付きが悪い・何度も目が覚めるなど)

不安や緊張で眠れない、ストレスなどにより脳内の睡眠に関するホルモンなどが正常に働かないなど、心の病気には睡眠障害が多く見られます。

食欲不振

心の病気になると食欲がなくなることも見られます。

「食べたい」という欲求や意欲がなくなります。

 

精神症状

精神症状には、誰にでも見られる症状が長期間にわたり続く場合や生活に支障をきたす場合は心の病気の可能性もあります。

抑うつ状態

気分の落ち込みや、何もする気が起きない、なんとなく憂うつなどの症状です。心の病気にはこの抑うつ状態がみられます。

気持ちが落ち着かない、そわそわする

不安や緊張をする出来事がないのに強く現れる場合や漠然とした不安が続くことで現れる症状です。

主に不安や緊張によるものです。

イライラする、怒りっぽくなる

心の病気によく見られる症状です。

自分の思い通りに行かない苛立ちや周囲に対して敏感になっているためにこのような症状が見られます。

 

生活・行動の変化

気分の落ち込みや意欲の低下などの精神面と倦怠感、頭痛などの身体面の症状は本人が気づきやすい症状です。

しかし、生活・行動面の症状は本人は気づいてなく、家族や周囲が異変に気づく場合が多いです。

・服装の乱れ
・髪の毛やヒゲがボサボサなど整容の乱れ
・急激な体重の増減 ・表情や感情が乏しくなった
・遅刻や休みが増えた
・ぼーっとしていることが多く、物忘れやミスが目立つなど

基本的には、「いつもと違う様子」が続いていることです。

 

心の病気になってしまったら

心の病気にかかる人は、悩みを一人で抱え込んでしまう傾向があります。

誰でも悩みを一人で抱えるのは辛く苦しいことです。

悩みがあるときに解決はしなくても話を聞いてもらったり、誰かに話したりするだけで気分がすっきりして安心できるものです。

家族や友人など話をすることができる場合は思い切って悩みを話してみましょう。

しかし、話ができる相手がいな場合や悩みを話すことに抵抗がある人などは専門機関に相談してみるのもひとつです。

 

心の病気は精神科や心療内科などが専門になるため医療機関への受診に抵抗がある人もいると思います。

そのような場合は地域に精神保健福祉センターや保健所など心の病気を扱う機関もありますので相談してみるのも良いですね。

 

まとめ

心の病気は、精神・身体・生活や行動といった3つの症状が現れます。

その症状は、誰にでも見られる症状のため軽視され治療に結びつかず、症状を悪化させてしまうことがあります。

 

自分だけでなく、家族や周囲の人たちも「いつもと違う」様子が続いているな、と感じたら心のケアが必要な人なのかもしれません。

心が健康であるためには、ストレスを少しでも溜めない生活を心がけることが大切です。

また、心の病気にかかってしまった場合は、早めに相談・治療をすることが重要となります。

 

 

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