蕁麻疹はどうしてできる?蕁麻疹の8つの原因と3つの治療法・予防法

蚊にされたように腫れあがり、激しい痒みを伴う蕁麻疹。
一度蕁麻疹が出ると痒みを我慢できず掻きむしって炎症を起こしてしまったり、仕事や学校、家事なども集中できずイライラしてしまいますよね。
そんな痒いだけでなく、ストレスも感じてしまう蕁麻疹は何が原因で発症してしまうのでしょうか?
今回は、蕁麻疹の原因や症状、治療法や対処法などをご紹介していきます。
蕁麻疹(じんましん)とはどんな病気?
蕁麻疹とは、皮膚の一部に赤みを伴う皮膚の盛り上がりができ激しい痒みを伴う皮膚の病気で、他の皮膚疾患に比べると症状が治まるのが早いのが特徴です。
また、蕁麻疹は比較的よくある病気で一生のうちに15~20%の人が経験する病気で、その内の7割の人は原因の分からない「特発性蕁麻疹」だと言われています。
特発性蕁麻疹の中でも、症状が数十分から半日、長くても1カ月以内に治まるものを「急性蕁麻疹」といい、症状が1カ月以上続くものを「慢性蕁麻疹」といいます。
蕁麻疹は、食べ物によるアレルギー反応だと思われがちですが、下着の締め付けやストレスなどでも発症します。
蕁麻疹の症状
〇蚊に刺されたような赤い腫れが皮膚に突然現れる
〇大きさは1~2mmの小さいものから、手のひらサイズの大きいものまであり、円形や地図のような形のものまで様々
〇激しい痒みを伴い、まれにチクチクとした痛みや皮膚が焼けるような感じを伴う事も
〇赤い腫れは、頭から足まで全身に現れる
〇通常数時間ほどで赤い腫れは消えるが、場所が移動したり、全身に広がってしまうこともある
〇重度の場合は、まぶたや唇が腫れ、気道内や腸内の粘膜にも腫れが生じ呼吸困難や下痢を起こすこともある
蕁麻疹の原因
蕁麻疹を発症してしまう原因はアレルギー性以外にも様々なものがあります。
蕁麻疹の原因①アレルギー性蕁麻疹
アレルギー性蕁麻疹は、食べ物や花粉、ハウスダスト、ペットの毛や薬などが体内に入ったことが原因で起こる蕁麻疹になります。
食べ物だけでなく、食品添加物も蕁麻疹を発症する原因の1つになります。
アレルギー性蕁麻疹の場合は、全身性(呼吸器、循環器、消化器など)の症状が現れるアナフィラキシーを伴う場合もあります。
蕁麻疹の原因②機械的蕁麻疹
機械的蕁麻疹は、腕時計やベルト、下着の締め付けによって皮膚が圧迫されることが原因で蕁麻疹がでます。
機械的蕁麻疹は他の蕁麻疹と違って、赤く腫れるだけで痒みや痛みはを感じることは少ないです。
蕁麻疹の原因③温熱蕁麻疹
コタツやストーブ、エアコンお風呂など外部からの温かい刺激による体温の上昇が原因で蕁麻疹がでます。
温熱蕁麻疹は、夏場よりも暖房器具を頻繁に使う冬場に多く発症します。
蕁麻疹の原因④寒冷蕁麻疹
扇風機や外気の冷気など外部からの刺激により、身体の特定箇所の体温が下がった時に蕁麻疹がでます。
寒冷蕁麻疹も冬場に多く発症しますが、夏場のエアコンの冷たい風でも蕁麻疹がでる事もあります。
蕁麻疹の原因⑤日光蕁麻疹
太陽光が直接肌に当たった所に蕁麻疹がでます。4月~9月など紫外線が特に強い季節に発症しやすくなります。
体調が悪いときなどは、太陽光に当たったほんの数秒で蕁麻疹を発症して1時間以上は症状が続きます。
放置していて症状が治まる場合もありますが、悪化してしまう事もあります。
蕁麻疹の原因⑥コリン性蕁麻疹
運動をした後やお風呂に入って汗をかいたときに「アセチルコリン」という汗腺を刺激する神経伝達物質が放出されることが原因で蕁麻疹がでます。
このコリン性蕁麻疹は子どもに多くみられます。
蕁麻疹の原因⑦心因性蕁麻疹
ストレスやヒステリー、自律神経失調症など精神的な心の病が原因で蕁麻疹がでます。
ストレスを感じるたびに蕁麻疹がでる場合は、心因性蕁麻疹の可能性が高くなります。
蕁麻疹の原因⑧病巣感染による蕁麻疹
風邪や虫歯などの発症に伴い、細菌の毒素などの影響で蕁麻疹がでます。
病巣感染による蕁麻疹は悪化することが少なく、病気が治ると蕁麻疹も治ることがほとんどです。
蕁麻疹の治療法
蕁麻疹を発症した際には、主に3つの治療法が行われます。
蕁麻疹の治療法①薬物療法
薬物療法の中心は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬になります。
薬を服用することで大体の人は数日で症状が和らぎますが、症状が和らいでも医師の指示がある間は飲み続けるようにしましょう。
軽い痒みの場合には抗ヒスタミン剤の塗り薬が処方されますが、痒みが強く抗ヒスタミン剤の塗り薬では痒みが治まらない場合はステロイド剤の塗り薬が処方されることもあります。
ステロイド剤を使用して3~4日経っても腫れが引かないようでしたら、別の病気が隠れていることもありますので医師に相談しましょう。
蕁麻疹の治療法②抗原回避療法
抗原回避療法は、蕁麻疹の原因であるアレルゲンを検査しアレルゲンが判明したら、原因となるアレルゲンを回避・除去する指導が行われます。
食品や食品添加物が原因になっている場合で、外すのが難しいものは摂取量を制限します。
蕁麻疹の治療法③減感療法
減感療法は、濃度を10~100倍に薄めた原因物質を注射などで体内に継続的に注入します。
経過を注意深く観察し、徐々に濃度を濃くしていき身体を慣れさせていきます。
しかし、減感療法の効果には個人差があるようです。
蕁麻疹の予防法
蕁麻疹を発症しないためにも日常生活でできる予防法をご紹介します。
蕁麻疹の予防法①規則正しい生活をする
睡眠不足や疲れがたまっていると、自律神経が乱れ免疫力が低下し蕁麻疹の発症に関連するアセチルコリンやヒスタミンの分泌を高めてしまいます。
睡眠不足や疲れがたまっていると蕁麻疹だけでなく他の病気を発症してしまう事もありますので、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
蕁麻疹の予防法②ストレスを上手に発散する
精神的なストレスは心因性蕁麻疹の原因になります。
しかし、現代人はストレスを溜めない生活というのはとても難しい事ですので、ストレスを溜めないように意識するのではなく、自分なりにストレスを上手に発散できる方法を見つけるようにしましょう。
蕁麻疹の予防法③人工着色料や防腐剤を避ける
人工着色料に使われる食用黄色4号(タートラジン)や防腐剤に使われている安臭香酸ナトリウム、パラベン類などは蕁麻疹を誘発させるサリチル酸化合物が含まれていますので、原材料の部分を確認しできるだけ避けるようにしましょう。
蕁麻疹が出たときの対処法
急に蕁麻疹になった場合の対処法は、冷たいシャワーや冷たいタオルなどで冷やし(寒冷蕁麻疹の場合は寒い場所、冷たいものから避ける)摩擦や圧迫などの刺激を皮膚に与えないよう静かに過ごすようにしましょう。
また、蕁麻疹は血行がよくなると悪化してしまいますので、血行を促進させるアルコールの摂取は控えるようにしましょう。
まとめ
蕁麻疹は突然現れて、すぐに症状が引いてしまうこともあり何が原因か分からなかった。という方も多いのではないでしょうか。
蕁麻疹は原因を突き止めることも治療の1つになります。蕁麻疹が出る前の行動などを思い出してみると、ご紹介した原因と一致する行動があるかもしれませんよ。
また、すぐに症状が引いてしまうと病院に行く必要はないかな、と思う方もいるでしょうが一度専門の医師に診てもらい正しい指導をしてもらうことをおすすめします。
子どもの蕁麻疹は見ているだけでも可哀そうで、治らなかったら…と心配になるでしょうが、成長や生活環境の変化で治ることが多いようですよ。