最近無性にイライラする!それって病気かも?あなたのイライラ今すぐチェック

なんだか無性にイライラすることってありませんか?

イライラして怒りっぽくなったり、周囲に八つ当たりをしたり
・・・そして自己嫌悪

なんていう悪循環を繰り返してしまう時ってありますよね!

イライラは物事や状況が自分の思い通りにならない時に、自分の心に現れる症状です。

しかし、思い当たる出来事(ストレス)がない場合や一時的なイライラではない場合には注意が必要です!

ホルモンバランスが崩れたり自律神経が乱れたりすることによって引き起こされている症状かもしれません。

そこで今回は、イライラする原因とイライラを引き起こす病気についてお伝えします。

そして、イライラが治まらず悩んでいるあなたへ、ツライ症状を治療してくれる診療科と治療法についてもご紹介します。

最近無性にイライラする!というあなたはぜひ読み進めてください。

 

イライラを引き起こす3つの原因

イライラする時って、人間関係、仕事、育児など…自分の思うようにいかない時に感じることが多いですよね。

また、服用している薬の副作用などによってイライラすることもあるかと思います。

しかし、特に思い当たる原因もないのに、無性にイライラしてしまう、些細なことにもカッとなってしまう場合には、自分では気づかないうちにストレスを溜めていたり、生活習慣や加齢の影響で身体の機能が正常に働いてくれなくなっているのかもしれません。

あなたの身体の中で神経やホルモンに変化が起きているために、強いイライラを感じたり、怒りっぽくなったりしている可能性があります。

自律神経の乱れ

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経があります。

自律神経は全身に張り巡らせている神経で、脈拍や血圧、消化運動・体温調節などの全身の機能調節を行い、身体をさまざまな状況に応じて、最適な状態にしてくれる働きがあります。

自律神経が正常に働くためには2つの神経がバランス良く機能することが、非常に重要になってきます。

〇交感神経は「緊張・興奮の神経」
日中に活性化している神経で、仕事や家事などができるように身体を活動的な状態にします。

〇副交感神経は「リラックスの神経」
主に夜間に活性化している神経で、身体をリラックスさせゆっくりと休めるような状態にします。

2つの神経のバランスが崩れると、活動しなければならない時にリラックス状態になるため、仕事や家事が思い通りにできなくなります。

また、リラックスしたい時に興奮状態になると、ゆっくりした時間を過ごしたり、身体を休めることができなくなり、イライラを感じやすく感情が不安定になってしまいます。

性ホルモンのバランスの乱れや分泌量の減少

体内では多くのホルモンが分泌され各器官が正常に働くように調節してくれています。

その中でも代表的なものが、男性ホルモンと女性ホルモンの性ホルモンになります。

男性・女性ならではの身体機能を正常に働かせるだけではなく、脳神経にも作用し男性・女性らしい感情や思考などにも影響している非常に重要なホルモンです。

そのため、ホルモンバランスの乱れや分泌の減少は、身体機能が正常に働かなくなったり、気分の落ち込みや感情をコントロールできずにイライラしたり、怒りっぽくなったりといった精神症状を引き起こしてしまいます。

体内では、性別に関係なく男性ホルモンと女性ホルモンの2つが分泌されています。

男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンが多くを占めていますが、その量には個人差があるので、ホルモンバランスの乱れによって起こる症状の有無や程度にはかなり差があります。

女性ホルモンの乱れ

女性ホルモンにはプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2つのホルモンがあります。

〇エストロゲンは「美肌ホルモン」
女性らしさを形成したり、排卵の準備をする役割があります。また自律神経のバランスを整えたり、感情や脳の働きに関係してきます。

〇プロゲステロンは「ブスホルモン」
妊娠を助ける役割があります。そのため体内の水分を保持したり食欲を増進させたりと、むくみやニキビなどを引き起こしてしまうこともあります。

この2つの女性ホルモンはとても重要な役割を持っています。ホルモンのバランスが崩れると、身体にいろいろな変化が現れ、特にイライラを感じる原因となります。

男性ホルモンの分泌量の減少

男性ホルモン(別名:アンドロゲン)は、男性らしさを保つために必要なホルモンです。

テストステロン、アンドロステネジオン、デヒドロエピアンドロステロンの3種類があり、中でも代表的なのがテストステロンで男性ホルモンの大部分を占めています。

〇テストステロンは「社会的ホルモン」

テストステロンは、筋肉や太い骨格など男らしい身体を作ったり、生殖機能を高めたりする働きがあります。

精神面でもやる気を引き起こすドーパミンの分泌を促し、集中力・記憶力を高めるなど働く男性にとってはなくてはならないホルモンになります。

また、生活習慣病のリスクを下げ、インスリン機能の低下を予防するなど多岐にわたり活躍してくれています。

この男性にとって重要な働きをするテストステロンですが、分泌量が減少すると意欲の低下や集中力・記憶力の低下を引き起こすだけでなく、イライラや焦燥感、不安などの精神症状を引き起こします。

テストステロンの分泌が減少するとネガティブな感情引き起こすと言われるホルモンなので、うつ病と間違われてしまうような症状が現れてきます。

セロトニンの不足

セロトニンは脳内にある3つの神経伝物質の中の一つで「幸せホルモン」とよばれています。

人間の精神面に大きな影響を与える役割があります。

セロトニンの分泌が減少すると他の神経伝達物質であるノルアドレナリンが過剰に分泌されイライラ症状が現れます。

ノルアドレナリンはストレスを感じたときに急増し、イライラ、興奮、血圧の上昇などをもたらします。

私たちの知らないうちに身体の機能が正常に働かず、特に思い当たる出来事がなくてもイライラの原因を作ってしまうことがあります。これらの原因から引き起こされる病気を紹介します。

 

自律神経失調症

イライラする病気で代表的なのが自律神経失調症です。

神経が敏感に反応するようになってしまい、何かにつけて意味なくイライラしたり、カッとなって落ち込んだりと感情が不安定になる症状が特徴です

自律神経失調症は、自律神経である「交感神経」と「副交感神経」のバランスが何らかの原因で崩れてしまったことでさまざまな症状が現れます。

多くの場合はアドレナリンを分泌する「交感神経」が優位になることでイライラなどの症状を引き起こします。

<交感神経が優位になると>
・交感神経が活性化するといつも興奮状態になるので外からの刺激に敏感になります。
・理性や判断を司る脳の働きに悪影響を及ぼし、感情を抑制することができなくなります。
・イライラなど感情が不安定になったり、コントロールしたりすることができなくなると考えられていています。

自律神経失調症を引き起こす2つの原因

ストレス

人はストレスを感じると交感神経が活性化されストレスに抵抗しようとします。

長期間のストレレスや強いストレスは、交感神経を常に活性化している(興奮)状態にさせてしまいます。

ストレスには、暑い・寒い、騒音など環境によるものと人間関係などの精神的ストレスなどがあります。

不規則な生活習慣

私たちの身体には24時間の体内リズムがあり、この体内時計に沿って交感神経と副交感神経は活動する時間帯が決まっています。

不規則な生活習慣は本来、活性化させるべき時間帯に活動しなくなってしまいます。

 

月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)

毎月の生理が始まる2週間くらい前から心身にさまざまな不快症状(イライラして怒りっぽい・気分の落ち込み・不安・腹痛・腰痛・頭痛など)が現れます。

生理が始まると次第に症状は和らぎ、そのうち自然となくなっていくのが特徴です。

この不快症状は、月経前症候群(PMS)といい、女性の8割近くに見られます。

月経前症候群(PMS)の症状には、下腹部や乳房の痛みなどの身体的症状とイライラや憂うつなどの精神的症状があります。

症状の種類には個人差がありますが、イライラして起こりぽくなるなどの不安定な症状は多くの女性が経験している症状といわれています。

症状には個人差があり、胃痛、頭痛、腰痛、眠気、下痢、手足のむくみ、にきび、吐き気などの症状が出る方もいるようです。

月経前症候群(PMS)の症状の中でも特に精神的な不調が強く現れ、日常生活に支障が出るような場合は、月経前不快気分障害(PMDD)の可能性があります。

強いイライラにより暴力的・攻撃的になったり、気分の落ち込みが激しくなったりと感情のコントロールができなくなるなどの精神症状が見られます。

一見、うつ病のようにも思われますが、月経が始まると数日後には症状はなくなっていき、症状が現れる前の状態に戻ります。

女性ホルモンのバランスの乱れが原因

月経前症候群(PMS)も月経前不快気分障害(PMDD)も原因はわかっていませんが、排卵期に女性ホルモンのバランスが変わることで心身が対応できず症状が現れると考えられています。

さらに、排卵期のホルモンバランスの乱れは誰にでもあるのに個人差が大きいことから鉄欠乏性貧血なども関係しているのではないかと言われています。

また、月経前不快気分障害(PMDD)は精神的な症状が強く現れるので、特にうつ病などとも関係の深い「セロトニン」への影響が強く、この時期にはセロトニンの分泌が急激に低下すると考えられます。

●女性のホルモンサイクル

・月経から排卵まではエストロゲンという女性ホルモンが優位になります。
・排卵から次の月経まではプロゲステロンという女性ホルモンが優位になります。

月経前症候群(PMS)も月経前不快気分障害(PMDD)も、このプロゲステロンという女性ホルモンが優位になる時期に症状が現れます。

<プロゲステロンが優位になると>

・イライラ症状が強まります。
・セロトニンの機能を低下させてしまいます。
・憂うつな気分や不安などの精神症状が現れたりします。さらにイライラしたり、攻撃的になるといった症状も引き起こします。
・インシュリンの働きを弱めます。
血糖値が低下すると、脳の働きが弱まり集中力や思考能力が低下するため憂鬱になるとイライラが止まらないなどの症状が現れます。

 

更年期障害

「更年期障害=女性」というイメージがありますが、実は男性にも更年期障害があります。

最近、テレビなどでも取り上げられるようになったので、あなたも聞いたことがあるかもしれませんね。

更年期障害の基本的な症状である、イライラ、気分の落ち込み、倦怠感、発汗、ほてり、不眠などの身体的・精神的症状は男性女性ともに見られます。

男性更年期の場合は、生殖機能の低下や精神症状が強く現れるなどの特徴があります。

 

女性の更年期障害

女性なら誰でも起こりうる病気で、閉経時期周辺の40~50代の女性で多く見られます。

更年期障害の症状は、のぼせやほてり、頭痛やめまいなどの身体症状とイライラ、気分の落ち込みなどの精神症状、その他の症状(排尿障害や湿疹など)などさまざまな症状があり期間も1年から数年とかなり個人差があります。

特によく見られる症状は「ホットフラッシュ」といわれるほてりやのぼせという症状です。

また、訳もなくイライラしやすく感情がコントロールできなくなることも多く見られます。

閉経周辺時期は女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が減少してきます。

それにより、もう一方の「プロゲステロン」が優位になりイライラが生じます。

また、セロトニンの機能を低下させている原因にもなるので余計にイライラが強くなり感情のコントロールができなくなります。

さらに、更年期の時期は、仕事上の責任あるポジション、子どもの独立、親の介護、将来の不安など社会・家庭環境の変化が多くストレスを抱えやすい時期とも言えます。

このようなさまざまなストレスは女性ホルモンのバランスの乱れと合わさり、さらに自律神経のバランスを崩してしまうためイライラなどの症状が引き起こされやすくなっています。

ホットフラッシュについては、こちらに詳しくまとめてありますので、参考にしてください。

 

男性の更年期障害

男性の更年期障害は、「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」ともいわれ、男性ホルモンの中の「テストステロンの減少」が原因となります。

女性の更年期障害の場合は、閉経の5年前後に現れることが多く、その周辺の時期に現れる心身の不調は更年期障害を疑うことができます。

一方、男性更年期障害は、特定の時期に症状が現れるわけではなく、20代以降の男性なら誰でも症状が現れる可能性があります。

また、女性のように一定の時期が過ぎると症状が自然になくなっているということはないため、いつまでも不調が続きます。

テストステロンの減少

一般的に、テストステロンの減少の原因は、加齢とストレスと言われています。

男性ホルモンのテストステロンの分泌は20代をピークに年齢とともに徐々に減少してきますが、分泌量の低下には個人差が大きいのが特徴です。

同じ年代でも分泌量にかなりの違いがみられる場合もあります。

男性更年期障害の症状

テストステロンは、①男性らしい身体を作る、②社会で働くための意欲や精神安定、③生殖機能の3つの働きがあるため、身体・精神・生殖機能に不調が現れます。

疲労感や倦怠感、ほてりや発汗などの身体症状、イライラや焦燥感、意欲低下、不眠などの精神症状、異性に関心がない、EDなど生殖器機能が正常に働かないなどの症状があります。

なかでも精神症状が強く、うつ病と同じような症状が現れます。

男性更年期の症状は、なかなか自分では気づきにくく、イライラや気分の落ち込みなどの精神症状は仕事などのストレスや疲労などによる一時的なものと捉えてしまうことが多いので、気がついた時には重症化していることもあるので注意が必要です。

 

 

うつ病

うつ病も誰にでも起こる可能性のある病気です。

原因ははっきりとはしていませんが、脳内のセロトニンやノルアドレナリンという神経伝達物質が不足することによって引き起こされると考えられています。

また、几帳面や完璧主義などの性格や資質、生育環境なども影響しているといわれています。

症状は気分が沈んだりやる気がなくなったりする症状ですが、誰でも起こる一時的なものではありません。

言葉では言い表せられないような気分の落ち込みや何事にも興味や関心が持てなくなるなどの精神症状が2週間以上続き、日常生活に支障が出てくる状態です。

うつ病は気分の落ち込みが激しいためにイライラするというイメージはない人が多いと思います。

しかし、うつ病の人にもイライラ症状を持つ人が結構多いです。

 

うつ病にはさまざまなタイプのうつ病があります。

一般的なうつ病の場合は、意欲や気力の低下とともに心の余裕がなくなったことで、不安や焦燥感が強くなりイライラ症状が見られることがあります。

また、非定型うつ病は、一般的に私たちがイメージするうつ病とは正反対の症状がでるうつ病です。

そのため、気分の落ち込みなども見られますが、とてもエネルギーがあり好きなことや楽しい時には気分が高まるという特徴があります。

そのためエネルギーが高まってイライラしたり攻撃的になったりといった症状が見られます。

特定の原因も見当たらないのにイライラしてしまうので、辛く悩んでいる人や日常生活に支障が出たりしている場合んには、やはり医療機関の受診が必要だと思います。

受診する診療科や治療についてもお伝えしていきます。

 

イライラの症状を治療する診療科と治療法

自律神経失調症

自律神経失調症の症状は、人それぞれで心と身体の全てに現れる可能性があるため、 「○○の症状=自律神経失調症」と診断するのは難しいです。

そのため、つらい症状が強く現れる診療科に受診するのが優先となります。

例えば

・動悸や息切れ、血圧上昇、だるい、頭が重いなど ⇒ 内科や循環器科
・めまいや耳鳴 ⇒ 耳鼻咽喉科
・腹痛、吐き気 ⇒ 内科・消化器科など、症状によってかかる診療科が違ってきます。

そして、その結果、身体に異常が認められない場合に「自律神経失調症」と診断されます。

イライラが強く、些細なことにもカッとなってしまう場合

身体的な不調もあるけれども、イライラがひどい、些細なことでも怒りっぽくなってしまう、気分の落ち込みや不眠などの精神的な症状が強い場合には、心療内科や精神科の受診がよいでしょう。

イライラが強い場合の治療法

医療機関での治療では、基本的に薬物療法になります。

ストレスなどが原因で強いイライラなどの症状が現れている場合など状況によっては、自律訓練法やカウンセリングなどの精神療法も行うことがあります。

〇自律神経失調製剤

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで症状が引き起こされるので、2つの神経の安定を図る目的として使われる薬です。

イライラの症状をおさえる目的としては、抗不安薬や漢方薬が処方されます。

〇抗不安薬

自律神経の緊張や興奮を緩和させたり不安を軽減することでイライラを和らげます。

〇漢方薬

漢方薬は、抗不安薬に比べてイライラの症状をすぐに和らげる効果は弱いですが、体質改善しながら症状を緩和できるのと副作用が少ないのが特徴です。

代表的なものには抑肝散(よくかんさん) 、加味逍遥散(かみしょうようさん)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などがあります。

月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)

月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)の治療を行ってくれる診療科は、主に婦人科・女性外来・精神科・心療内科になります。

月経前症候群(PMS)で悩んでいる人で、きちんとした診断を受けたい場合や低用量ピルでの治療を希望している場合は、婦人科か女性外来に行くのが良いですね。

月経前症候群は(PMS)は、理周期と症状が現れる時期が決まっているために、自分の生理周期とイライラなどの症状が現れた時期などを明確にさせて受診しましょう。

一方、月経前不快気分障害(PMDD)の場合も婦人科や女性外来の受診で治療を行うことができますが、イライラや衝動性などの精神的症状が強く現れるために、低用量ピルなどのホルモンコントロール治療では効果が出ない場合もあります。

そのため、精神症状の専門である心療内科や精神科の受診が必要になります。

最初から心療内科や精神科に行くのが抵抗あるようなら、婦人科や女性外来などを受診してみましょう。

治療法

症状の程度にもよりますが、基本的には、「低用量ピル」「漢方薬」「抗うつ薬」「抗不安薬」の薬物療法になります。

〇低用量ピル

一時的に排卵を止めることで、イライラや不快症状を引き起こす女性ホルモンの「プロゲステロン」の分泌量を低下させ、症状が現れないようにしてくれます。

そのため、比較的、症状が落ち着くまでの時間が早く、次の月経には症状が軽減してることもあります。

飲み始めの初期には、吐き気やむかつきなどの副作用が現れますが、1~2カ月程度で治まります。

〇漢方薬

月経前症候群(PMS)の治療には漢方薬が処方される場合が多いです。

低用量ピルに比べて即効性はありませんが、副作用も少ないために長期飲み続ける場合には安心です。

イライラが強い場合には、加味逍遥散(かみしょうようさん)や抑肝散(よくかんさん)などが処方されます。

〇抗うつ薬、抗不安薬

月経前症候群(PMS)でもイライラや気分の落ち込み、不安感などの精神症状が強い場合や月経前不快気分障害(PMDD)にはSSRIなどの抗うつ剤や抗不安薬が処方されます。

女性の更年期障害

女性更年期障害によって現れる症状は個人差があり、更年期障害とわかっている場合には、婦人科や女性外来に受診します。

閉経前の45~55歳位(個人差があります)に心身の不調が現れた場合には、更年期障害の可能性もあるのでは?と疑ってみるのも良いかもしれません。

めまいや頭痛などの身体症状が強い場合は、更年期障害と解らないこともあるので専門科に受診します。

また、うつ状態やイライラなどの精神症状が強い場合には心療内科や精神科に受診しましょう。

治療法

「ホルモン補充療法」「漢方薬」「カウンセリング」などの治療法があります


〇ホルモン補充療法

更年期障害の原因でもある女性ホルモン「エストロゲン」の不足を、内服薬や外用薬を使うことで補い、症状を軽減させる治療法です。


〇漢方薬

更年期障害で処方される漢方薬には、女性ホルモンのバランスを整えながらさまざまな症状を軽減してくれる作用があります。

一般的には帰芍薬散(しゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが処方されます。


〇精神的治療

うつ状態やイライラ、不安などの精神症状が強い場合は、抗うつ薬や抗不安薬が処方される場合もあります。

また、症状が改善されない場合やストレスや何らかの心理的な原因が症状を引き越しているような場合にはカウンセリングなどの精神療法を行うこともあります。

男性の更年期障害

男性更年期障害の治療には、最近増えてきているメンズヘルス専門外来がお勧めですが、まだ数が多くはないので泌尿器科へ受診するのが良いですね。

身体的な症状が弱く精神症状だけある場合には、なかなか治療を受けようと思わない人が多いですが、気づくと重症化してしまうので、イライラや気分の落ち込みなどいつもと違うと思った場合は、家族や周りの人が受診を勧めてあげましょう。

泌尿器科では、テストステロンの数値検査を行い、数値が低い場合には更年期障害として治療が始まります。

治療法

男性更年期障害の治療には、「ホルモン補充療法」や「漢方薬」などがあります。

〇ホルモン補充療法

テストステロンの減少が激しく、症状が重い場合には「ホルモン補充療法」が行われます。体内でテストステロンを増やすことができないので、注射や薬(内服・外用)を使い、テストステロンを増やすことで症状を軽減させていきます。

〇漢方薬

漢方薬が処方されることも多く、精巣機能を高めることで男性ホルモンの量を増やす目的で、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などの漢方薬が使われます。

うつ病

うつ病の治療には、心療内科または精神科への受診が必要になります。

受診に抵抗がある場合などは、かかりつけの病院や内科などに受診して相談してみても大丈夫ですよ。

治療法

うつ病によるイライラの場合には、セロトニンの不足を補うために抗うつ薬、不安や焦燥感などを軽減する抗不安薬が処方されます。

その他に、イライラを引き起こす自分考え方を見直したりする精神療法なども行われる場合があります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回お伝えしたイライラ症状が現れる病気には、自律神経・女性ホルモン・脳内の神経伝達物質が正常に機能しないことが原因で症状が現れています。

そのため規則正しい生活、神経や女性ホルモンに良い食品の摂取、アロマテラピーなどイライラを軽減する方法などさまざまな方法を実践してみるのも良いかもしれません。

しかし症状がひどくなると自分ではコントロールが難しいために、つらい症状を軽減するためにも早めの医療機関へ相談するのが良いです。

会社勤めの方は産業医がいるような会社でしたら、気軽に面談の予約をとって相談をしてみると良いですよ。

自分の中だけで解決しようとすると、それがストレスとなってしまい、症状が悪化したり、別の病気や、メンタルの病気などに進行してしまう可能性があります。