最近トイレが近い!と感じたら・・7つの原因と6つのセルフケア

最近、トイレの回数が増えてきたような気がする。
夜中に何度も起きるので寝不足気味。
おしっこが近いのは歳をとったせいよね・・などと感じていることはありませんか?
日頃は気にもとめない排尿ですが、気になり始めると心配になってきますよね。
普通は1日何回くらいトイレに行くの?
加齢のせいだから諦めるしかないの?
何かの病気かしら?など、案外、知らないことが多いものです。
今回は、「いつもより尿が近くなったかな?」という気になる悩みについて7つの原因と6つのセルフケアをお伝えします。
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排尿回数が多くなったのはどうして?
1日どのくらいトイレに行くかは個人差がありますよね。
一言で「尿が近くなった」といっても、正常なのかどうかわからないものです。
一般的に1日の排尿回数は、昼間5回、夜間0~1回とされています。
一般的な排尿回数より多い場合は、尿が近くなっているのかもしれません。
医学的には、「1日の排尿回数が8回以上」あると「頻尿」であると診断されます。
また、回数にかかわらず本人がトイレの回数が多く悩んでいる場合も頻尿とされています。
頻尿とは
1日の排尿回数が8回以上ある場合を言います。
主な症状は排尿回数が多いことですが、その他にもいくつかの特徴があります。
・1回の排尿の量が少ない
・排尿したのにすぐ尿意をもよおす
・残尿感がある
・突然、我慢できないほどの強い尿を感じる
・力んだときや驚いた時などに尿漏れするなどの特徴があります。
頻尿の3つのタイプ
<昼間頻尿>
昼間のみ頻尿が見られます。
夜間には全く頻尿の症状が出ないことから、日中の職場や人間関係などの精神的ストレスが影響していると考えられています。
<夜間頻尿>
夜間のみ頻尿が見られます。
トイレに行くため夜中に何度も起きてしまい寝不足になったり、加齢とともに転倒のリスクなどもあります。
<昼夜問わない頻尿>
昼夜問わず頻尿の症状が見られるため生活に支障が出ます。
頻尿の中で一番つらい症状です。
頻尿が起こる原因
水分の取りすぎ
水分摂取量が多くなると当然トイレに行く回数は増えますが、水分摂取を控えることで症状は改善します。
一般的には、成人が1日のうちに必要な水分量は、「体重×50ml」と言われています。
そして1日の食事で摂取している水分量はだいたい1,500mlであると考えられています。
※仕事や運動などで多量に汗をかく場合はもっと多くの水分摂取が必要です。
(体重×50ml)- 1,500m = 1日に飲料水などで水分を摂取する目安
加齢の影響
通常、就寝時には「抗利尿ホルモン」という尿の量を減らすホルモンが分泌されています。
しかし加齢によって、このホルモンの分泌量が減ったり働きが弱くなったりして昼間と同じように尿が作られてしまいます。
そのため、夜中に何度もトイレにいくことが多くなります。
また、膀胱や骨盤などの機能が低下するため、尿を少ししか溜めておくことができなかったり、尿意を我慢できなかったりするのも加齢の影響です。
さらに運動量の減少、身体機能の衰えにより代謝が悪くなってきています。
そのため汗をかきにくく、尿量が増えることも関係しています。
精神的ストレス
精神的ストレスや自律神経の乱れ、強い緊張などの心因によっても頻尿が引き起こされます。
大勢の前で発表する前やトイレがない場所に限って尿意を感じる、などの経験をしたことがありませんか?
緊張によって一時的に膀胱が収縮することが原因なのですが、日常的に症状が起こると頻尿となります。
心因性のため、病院で検査しても膀胱や尿道に異常がれないことや精神的なストレスや緊張が感じられない夜間には症状が見られないのが特徴です。
病気や炎症
一般的に膀胱には350~400ml(成人)の尿を溜めておくことができると言われています。しかし病気や炎症がある場合、尿を溜めておける容量が少なくなるので排尿回数が増え頻尿になります。
原因と考えられるものとして以下のようなものがあります。
過活動膀胱
尿がそれほど溜まっていないのに突然、尿意をもよおし(尿意切迫感)頻尿や尿もれを引き起こします。
これは、膀胱の筋肉が過剰に働いてしまい排尿のコントロールがうまくできなくなることが原因です。
40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱に関係する症状が見られるとされています。
性別に関係なく症状が見られ、加齢とともに多くなります。
50歳以上になると男性の方が多くなります。
尿路感染
膀胱炎や前立腺炎など、尿の通り道である尿路に細菌が感染して炎症を起こしている状態です。
そのため膀胱の神経が刺激され、頻尿や排尿痛などの症状が現れます。
腫瘍(膀胱がん、子宮がん、子宮筋腫など)
膀胱がんや膀胱の周囲にできた腫瘍が膀胱を刺激して頻尿の症状が現れることがあります。
頻尿の原因は多岐にわたります。
上記の他にも脳や神経の病気がある場合などでも頻尿の症状が見られます。
頻尿のために日常生活に差し支えるような場合や気になって不安が強まるときは医療機関への受診をおすすめします。
女性特有の原因
40歳以上の女性、2人に1人が頻尿の傾向が見られると言われています。
主に女性に見られる頻尿の原因には、骨盤底筋のゆるみと女性ホルモン「エストロゲン」の減少があります。
骨盤底筋のゆるみ
骨盤底筋は、子宮や膀胱などを支えている筋肉です。
この骨盤底筋が収縮することで尿道が締り、尿が漏れるのを防いでくれています。
しかし、加齢とともにこの骨盤底筋が衰えゆるんでしまいます。
尿道をしっかり締めておけないために、お腹に力が入ったとき(咳やくしゃみなど)に尿が漏れてしまう(腹圧性尿失禁)症状などが見られるようになります。
骨盤底筋は、加齢以外にも妊娠、出産、閉経などによっても衰えてしまうため女性特有の原因と言えます。
また、骨盤の歪みが骨盤底筋の緩みにも関係しているそうです。
美容整体などで骨盤矯正を行うのも改善への一つですね。
女性ホルモン「エストロゲンの減少」
女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」は分泌量が減少すると自律神経が乱れさまざまな症状を引き起こします。
頻尿もそのひとつで、エストロゲンの減少が原因となります。
通常、尿がいっぱい溜まると膀胱や尿道が収縮されることで排尿をします。
しかし、自律神経のバランスが乱れると膀胱や尿道の収縮が促されてしまい、膀胱内に少量の尿しか溜まっていない状態でも、頻繁に尿意をもよおしてしまいます。
エストロゲンの減少が見られる生理前の月経前症候群や更年期の時期は頻尿が起こりやすいと言われています。
更年期が気になる方はこちらの記事も参考にしてみてください。
男性特有の原因
中年期以降の男性に多く見られる前立腺肥大症。
特に60歳以上の人に多く、55歳以上の男性では5人に1人が悩んでいるといわれています。
この前立腺肥大症は過活動膀胱になりやすく、排尿回数が増える原因となります。
前立腺肥大
前立腺は男性の生殖器の一つで、尿道を囲むような感じで膀胱の下にあります。
前立腺が肥大すると尿道を圧迫して尿が出づらくなります。
そのため排尿するために膀胱の筋肉が厚くなり、尿を溜めておける容量が少なくなり頻尿の症状が現れます。
前立腺が肥大するはっきりとした原因はわかりませんが、加齢と男性ホルモンなどの性ホルモンが関係していると考えられています。
セルフケア~基本的な3つの方法~
生活習慣の改善
できるだけ起床・就寝時間を同じ時間にしましょう。
昼頃まで寝ていたり夜更かしをする生活は、体内時計が乱れる原因になります。
体内リズムが整わないと日中に尿を作るホルモンが混乱し、夜間寝ている時に尿を作ってしまいます(夜間頻尿)。
水分の取り方に注意する
トイレに行くことを気にして水分を制限してしまうと、脱水、熱中症、血行不良、老廃物を排出できなくなるなど身体に悪影響を与えます。
多く水分摂取すると頻尿につながりますが、1日に必要な水分は必ず摂取するようにしましょう。
その際には、アルコールやカフェイン(紅茶・コーヒー・緑茶などに含まれる)は利尿作用があるので注意が必要です。
摂取する場合は、できれば夕方以降は控えたほうが良いでしょう。
また、就寝前には必要な水分以上に摂取しないことや食事の塩分を少し控えることでも必要以上の水分を摂取しなくてすみます。
身体を温める
寒い時期になるとトイレが近くなるように、身体が冷えると膀胱が収縮して排尿回数が増えます。
特に下半身の冷えには注意が必要です。
入浴をしたりホッカイロなどで身体を温めて血行を良くするよう心がけましょう。
セルフケア~原因別3つの方法~
生理前(月経前症候群)
生理前には、ストレスのコントロールと身体を温めることです。
ストレスや疲労は、月経前症候群を悪化させるため頻尿の症状が出やすくなります。
この時期は特にストレス解消やリラックス効果のある入浴、睡眠をしっかりとりましょう。
また、身体を温めることも重要です。特に腰周りや下半身を温めたり、身体を温める飲み物を飲んだりと自分にあったリラックス法と身体を温める方法を行いましょう。
骨盤のゆるみ
骨盤底筋のゆるみには骨盤底筋体操が効果的です。
軽度の頻尿の場合は、骨盤底筋を鍛えるだけで症状が改善されることが多いです。
ゆるんだ骨盤底筋は自分の意志でコントロールできるため、体操によって鍛えることができます。
<骨盤底筋体操>
骨盤底筋体操は、自宅でも会社でも簡単にできる体操です。
最初は、1回5分間程度で行い、徐々に時間を10分~20分まで増やしていきます。
ポイントは膀胱や肛門を意識して締めることです。
①最初に、余り力を入れずに肛門、膣を締めたり緩めたりする動作を2~3回繰り返します。
②次に、ゆっくりと力を入れて、肛門、膣を締めたり緩めたりします(3秒静止)。これを2~3回繰り返します。
これを繰り返し行い、徐々に時間を伸ばしていきます。
毎日継続して行うことが大切なため、自分が行えるとき(家事や通勤中、入浴時など)にこまめに行っても大丈夫です。
また骨盤底筋体操には、いろいろな方法があるので、自分に合う方法を見つけましょう。
前立腺肥大
前立腺肥大の症状を軽減するには日常生活の見直しが必要です。
前立腺肥大の症状はひどくなると医療機関での治療が必要ですが、軽症の場合はちょっとした心がけで症状が軽減することがあります。
・アルコールを飲み過ぎないようにしましょう
・刺激物(唐辛子,わさび,香辛料など)を食べ過ぎないようにしましょう
・適度に水分補給を行い、大量の水分や就寝前の水分摂取は控えましょう
・便秘をしないように適度に身体を動かしたり、食物繊維などを積極的に摂りましょう。
また、60歳を過ぎたら肛門を1日に20~30回くらい締めたりゆるめたりする運動(骨盤底筋トレーニング)を行うと効果的です。
・身体を冷やさないように(特に下半身),ゆっくり入浴しましょう。
・車の運転やディスクワークなど、長時間座った姿勢を取らないよう心がけましょう。
頻尿予防におすすめの3つの食材
収縮した膀胱や前立腺を緩める作用があり、排尿機能の改善に効果があると言われている食材が3つあります。
①収縮した膀胱や前立腺の筋肉をゆるめる「ボタンボウフウ(イソサミジン)」
※別名、長命草と言われ、九州、沖縄の海岸沿いに自生しているセリ科の植物です。
②前立腺肥大を緩和する働きがある「ノコギリヤシ果実」
③排尿トラブルを改善させる作用がある「ペポカボチャの種子」
聞いたことのない食材かもしれませんね。
即効性はありませんが継続することで症状の改善が見られると言われています。
いずれも食品で摂取することが難しいのでサプリメントや生薬などで摂取するのが良いでしょう。
おすすめのサプリ・生薬をまとめました。
こちらも参考にしてみてください。
まとめ
いかかでしたでしょうか?
頻尿などの排尿トラブルは、加齢とともに症状が悪化していきます。
尿が近くなったのは、歳のせいだから仕方がないなどと放っておくと生活に支障が出てきます。
外出や旅行などの行動が制限されたり、気持ちが落ち込んだりと楽しく過ごすことができなくなります。
尿が近くなったと感じたら、早めの対策、早めの医療機関への受診が大切になります。
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