【片頭痛】のつらい痛みを軽くする4つの対処法と9つの予防法

頭がズキンズキンと痛み、少し動くだけで痛みが強くなることはありませんか?
目の前にギザギザした光が見えたあとに頭痛に襲われる・・などの頭痛で悩んでいる方は片頭痛かもしれません。
片頭痛は、正しい対処法を知ることで痛みや発症頻度を軽減することができます。
また、日常生活を少し工夫することで予防も可能な病気です。
頭痛で悩んでいる人は全国で3000万人いると言われています。
しかし頭痛と一言でいってもいろいろと種類があり対処法も異なります。
自分の頭痛のタイプをきちんと知ることでつらい痛みを緩和して症状を悪化させないようにしましょう。
今回は、片頭痛の症状や原因、対処法と予防法についてご紹介します。
片頭痛とは
片頭痛は、検査をしても特に脳に異常が見られない慢性頭痛(機能性頭痛)のひとつです。
こめかみから目のあたりに「ズキンズキン」とした脈を打つような痛みが生じます。
片側に痛みが見られると思われがちですが、実は4割の人は片側だけでなく両側に痛みが現れます。
頭痛の症状は2~3日間続き、痛みが起きると光や音・匂いに敏感になるのが特徴です。
また、一度痛みはじめると、動くこともできず日常生活に支障をきたす場合や、吐き気をもよおす場合も多く見られます。
片頭痛を引き起こす要因は一つではなく、さまざまなものが重なって発症します。
要因の一つに女性ホルモンと関連があると考えられているため、ホルモンのバランスが安定する年齢(男性では50歳位、女性では60歳代位まで)まで片頭痛発作が続くことがありますが、その後は症状が改善されてきます。
あなたの頭痛は片頭痛?
頭痛にはいろいろな種類があり対処法が異なります。
日常的によくみられる慢性頭痛には3タイプあるので、まずは自分の頭痛が片頭痛の症状であるかを確認してみましょう。
- 頭痛の症状が数時間~3日間ぐらい続き、月に数回繰り返し発症する
- 少し動くだけでも痛みがひどく動きたくない・動けない
- 「ズキンズキン」と脈打つように痛む
- 頭痛の時に吐き気がしたり、普段気にならないような光や音に敏感になる
- 頭痛が起きる前に肩や首がこる
- 両親や兄弟姉妹などの肉親に片頭痛の人がいる
ひとつでも当てはまれば片頭痛の可能性があります。
どうして片頭痛が起こるの?
片頭痛がどうして起こるのかは、はっきりとした原因はわかっていませんが、「脳内の血管が何らかの影響で広がることで、周囲の神経を圧迫して痛みを引き起こす」と考えられています。
血管が拡張すると周囲の三叉神経を圧迫して痛みが増し、その後血管が収縮すると痛みが弱まりという仕組みです。
<片頭痛を引き起こす要因>
- 睡眠不足などの生活習慣の乱れ
- ストレスや過労などとの関係が深い脳内のセロトニンの減少
- 血管を広げる作用のある食品の摂取
- 月経や更年期周辺の女性に多い女性ホルモンの乱れ
- 環境からの刺激(光・音・匂い、気温、天候など)
- 遺伝的要因などが考えられます。
片頭痛の症状って
片頭痛の一般的な症状は、頭の片側がズキズキと脈を打つように痛むことが特徴です。
(症状には個人差もあり、頭の両側や後頭部、頭全体が痛む場合やズキズキと脈を打たない痛みの場合もあます)
痛みが強く現れるのは1~2時間くらいでずが、症状は2~3日間続きます。
症状がひどい時には、姿勢を変えたり、ちょと動いただけでも痛みが強まります。
普段は何とも感じない光や音、匂いなどに敏感になり、人によっては寝込んでしまうことや吐き気をもよおすこともあります。
このような症状が現れるのは、月に1~2回、多い時は週に1~2回程度見られます。
片頭痛の特徴的な症状「予兆」「前兆」
片頭痛の20~30%の人に見られる状として「予兆」と「前兆」と呼ばれる症状があります。
<予兆>
頭痛が現れる数時間から2日前に見られる状態です。
以下のような症状が見られます。
食欲が増す
あくびが繰り返し出る
やる気が出ない
集中力がなくなる
疲れやすい
イライラや怒りっぽくなる
光や音に敏感になる
など
<前兆>
頭痛が起こる30分~数時間前に、目がチカチカしてギザギザした光が見えたり、(閃輝暗点せんきあんてん)、視野が一部欠けたりする症状が現れます。
症状は15~30分ほどでなくなり、その後、頭痛が始まります。
片頭痛は発症すると動けないほどの強い痛みを感じますが、治まるとピタッと症状がなくなるのも特徴です。
片頭痛の治療法
片頭痛の治療には、つらい症状を和らげるために薬物治療が行われます。
主に使用される薬には発作を抑える薬と発作を予防する薬の2種類になります。
頭痛発作を抑える薬
<トリプタン系薬剤>
片頭痛の原因とされる血管の拡張を抑え、三叉神経の働きも抑える効果があるため受けた刺激が大脳に伝わるのを防ぎます。
現在医療機関で処方してもらえる薬は5種類あり、錠剤や点鼻薬、口腔内崩壊剤(水なしでも口の中で溶ける薬)、注射などさまざまな形状の薬剤があります。
<エルゴタミン製剤>
古くから片頭痛の治療薬として使われてきた薬です。
血管を収縮させる作用があり、トリプタン系薬剤が使えない人に処方される場合が多いです。
発作を予防する薬
日常的に薬を服用することで、片頭痛の症状が現れた時に痛みを軽減できるようにする薬です。
薬物治療は症状が現れた時に行うのが一般的ですが、発作回数が多い場合や痛みによって日常生活に支障をきたす場合などに使用されます。
その他の薬
吐き気が強い時は、吐き気止めの薬が処方されることもあります。
また、即効性はありませんが、体の気の巡りを良くして自然治癒力を高めることで症状を改善する漢方薬も処方される場合もあります。
市販薬でも大丈夫?
痛みのピークが1~2時間程度なので、市販の鎮痛剤などで対処している人も多いかと思います。
実際、片頭痛で悩む人の7割近くの人が医療機関にかかっていないそうです。
市販の鎮痛剤は、片頭痛の前兆症状や痛みが強くなる前などに服用すると効果があります。
しかし、市販の鎮痛剤では片頭痛を引き起こす原因と言われている血管の拡張を改善する作用がないために片頭痛に対する根本的な治療法ではありません。
市販の鎮痛剤では効果がなくなってきた場合や効果が無かった場合は医療機関への受診をおすすめします。
また、片頭痛の症状を予防するために鎮痛剤を服用したり、月に10回以上服用している方などは、鎮痛剤による副作用や薬に対する耐性が出来ている場合もあるので医療機関で相談してください。
片頭痛が起きた時の対処法
片頭痛は正しい対処法を行うことで痛みが緩和されます。
間違った方法で症状を悪化させないようにしましょう。
症状が起きたらやるべきこと
<安静にする>
頭痛の症状が現れたら安静にすることが一番です。
光や音に敏感に反応すると痛みが強まることがあるので暗い静かな場所で横になるのがよいでしょう。
横になることが難しい場合は、できるだけリラックスできる椅子などに座っていても効果はあります。
また、少し眠ることができる状況ならば、ひと眠りしたほうが痛みを早く治すことができます。
痛みのピークである1~2時間は安静を保つようにすると少しは楽になりますよ。
<痛みがある部位を冷やす・圧迫する>
痛みのある部位を保冷剤や冷却シート、タオルなどで冷やしてみてください。
また、指で圧迫すると血管を収縮させ痛みが軽減されます。
<カフェインをとる>
コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインが含まれる飲み物を飲みましょう。
カフェインには血管を収縮させる働きがあるので、痛みが現れてきたら早めに飲むと痛みが軽減します。
ただし過剰摂取は逆に頭痛を誘発するので注意してください。
<鎮痛剤を服用する>
症状があらわれたら早めに鎮痛剤を服用することもひとつの方法です。
ただし、市販薬の場合は一時的に症状を軽減するものなので、早めに医療機関へ受診して医師の指示に従って服薬するようにしてください。
やってはいけないこと!!
- 痛みのある部位を温める
- 入浴やシャワーに入る
- マッサージ・頭や首のストレッチ(体操)
一般的に入浴や頭・首のストレッチ、マッサージなどは身体をあたため血行を良くする効果があります。
また心身のリラックス効果もあるため頭痛の痛みを和らげる方法とされていますが、片頭痛の症状がある場合は行ってはいけません。
つらい痛みを引き起こす血管の拡張や収縮させてしまうため痛みが強くなり症状を悪化させてしまいます。
片頭痛の予防
片頭痛の予防には、生活習慣を見直し、痛みを引き起こす可能性のあるものを避けることで予防することができます。
また、片頭痛を抑える効果があることを積極的に取り入れましょう。
生活習慣を見直しましょう
〇ストレスや疲労は溜まっていませんか?
ストレスや疲労が溜まっていると身体が緊張して血管が収縮します。
そのため心身のストレスから解放されたときに急に血管が拡張し片頭痛が起こりやすくなります。
せっかくの仕事や家事から解放されたゆっくりできる時間に痛みに襲われ台無しになってしまいます。
〇不規則な睡眠(寝不足・寝すぎ)になっていませんか?
日頃から適度な睡眠を心がけてください。
睡眠時間は、長くても短くても片頭痛の誘因になります。
特に休日の寝だめや二度寝には要注意です。
さらに空腹状態が重なると片頭痛の症状が出やすくなります。
〇刺激が多い環境で生活していませんか?
片頭痛は、光、騒音、匂い、汚れた空気など、さまざまな環境から刺激を受け症状が引き起こされます。
そのため外出時には人ごみを避けること、サングラスやマスクをつけることで刺激を軽減できます。
また、バスに乗るときなどは後部座席や、タイヤの真上の座席は振動を受けやすいので避け、電車などは進行方向に向かって座るなどの工夫をしましょう。
〇食生活を見直しましょう
チーズ、アルコール(特に赤ワイン)、チョコレートなどには血管を拡張・収縮作用のある成分が含まれているので控えましょう。
また、中華料理やイタリア料理などに多く使用されている材料や調味料にも血管の拡張・収縮作用があるものが多いので、和食中心の食事の方が安心です。
しかし、あくまでも過剰摂取の場合が問題となるので、自分の頭痛の症状によって控えるようにしてください。
生活の中で積極的に取り入れたいこと
〇規則正しい生活
片頭痛は空腹時によく起こります。
そのため1日3食しっかり摂り、規則正しい睡眠を心がけましょう。
また、ストレスを溜めないように自分なりのストレス発散方法を身につけておくと良いですね。
〇入浴
片頭痛の症状があるときには、血管を拡張するために入浴することは厳禁ですが、症状がない場合は積極的に入浴しましょう。
入浴で身体があたたまることで血行が良くなり、またリラックス効果も得られるので肩こり予防やストレス解消になります。
〇片頭痛を予防する食べ物を積極的に取り入れましょう
ビタミンB2(痛みの頻度や時間を減らす効果があります)
玄米、胚芽米、牛・豚・鶏レバー、ウナギ、納豆、卵黄、乳製品などに多く含まれます。
マグネシウム(脳の神経を安定させ血管の収縮を抑える作用があります)
大豆製品、ナッツ類、ひじき、わかめなどに多く含まれます。
〇頭や首周りのストレッチ行う
頭や首周りストレッチなど片頭痛の症状がる場合には厳禁でしたが、予防には効果があります。
毎日、数分間、腕や肩を回す運動を心がけましょう。
ポイントとしては、頭と首を動かさず、肩と腕を水平にしながら回します。
ストレスや疲れでかたくなりがちな、首周りの筋肉をほぐしましょう。
〇自分の頭痛のパターンを知る
片頭痛が起きる状況は人それぞれです。
自分はどのような時に頭痛が起こりやすいかを把握することにより、片頭痛が起こる頻度を効果的に軽減することができます。
まずは、自分の頭痛の記録をつけてみましょう。
<記録する内容>
環境(場所、状況、日時など)
症状(前兆の有無、痛みの時間・強さ、痛み以外の症状)
対処法(服薬、安静など)
その他の気になること(生理、ストレス、仕事や家事の多さなど)
自分の片頭痛のパターンを把握できる内容を書いておくことで、いつ痛みが襲ってくるのかという不安も軽減し、引き起こしやすい状況を回避することで発症頻度を少なくすることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
片頭痛は、正しい予防と対処法を行うことで、つらい頭痛の症状を緩和したり、発生頻度を少なくすることができる病気です。
自分の片頭痛の症状や引き起こされる状況や環境などをきちんと把握しておけば予防することもできます。
いつ症状が現れるかと不安になったり、痛みが出るのが心配で薬に頼ったりするようなことはなくなるので精神的にも安心ですよね。