更年期障害は女性だけの病気じゃない!男性更年期障害の原因や治療法は?

更年期障害と聞くと女性の病気というイメージが強いですよね。
しかし、更年期障害は女性だけがなる病気ではなく、男性も更年期障害になるのをご存知ですか?
男性の更年期障害は、最近では認知されてきていますが、理解している人はそれほど多くなく、更年期障害の症状が出ていても病院に行かず症状が悪化してうつ状態になってしまう方もいらっしゃいます。
今身体に不調がある方はもしかしたら歳のせいではなく更年期障害の症状かもしれません。
今回は、男性の更年期障害の原因や症状、治療法などをご紹介していきますので、自分に当てはまる症状がないか1度チェックしてみましょう。
男性の更年期障害の原因
男性の更年期障害の原因は、男性ホルモン「テストテロン」の減少によるものです。
テストテロンは、筋肉量を増やしたり、男性らしい太い骨格、ヒゲや体毛を生やす働きをもっています。
また、生殖機能の向上や肉体面だけでなく精神面の健康にも関係しているホルモンです。
この、テストテロンは20代に分泌のピークを迎え、それ以降は分泌が増えることはなく減少していく一方です。
テストテロンは、加齢の他ストレスによっても減少します。
男性の更年期障害の症状
今出ている身体の不調を歳のせいにしていませんか?
こういった症状がある場合は、更年期障害の可能性があります。
肉体的な症状
〇疲れやすい
〇のぼせ、ほてり
〇筋肉量の低下
〇息切れ、動悸
〇関節の痛み
〇太りやすい
精神的な症状
〇イライラしやすい
〇やる気がでない
〇不安やうつ
〇集中力、記憶力の低下
性の症状
〇性欲減退
〇ED(勃起しにくい)
〇トイレが近い
など男性の更年期障害には様々な症状がでます。
こういった症状がいくつか当てはまる方は我慢せずに1度病院を受診してみてはいかがでしょうか。
男性の更年期障害の検査法
更年期障害かもしれないと思ったら、まずは泌尿器科を受診しましょう。(近くに男性更年期障害の専門外来がある場合はそちらに)
更年期障害の検査方法は、問診、血液検査や前立腺がんの検査などをしていきます。
血液検査では、男性ホルモンのテストテロンの値を測定します。
検査の結果から更年期障害と診断されれば治療に入ります。
男性の更年期障害の治療法
男性の更年期障害の治療法は「ホルモン補充療法」が一般的ですが「漢方療法」を取り入れている病院もあります。
男性更年期障害の治療法①ホルモン補充療法
血液検査の結果からテストテロンの補充が必要だと判断された場合には注射でテストテロンを補充していきます。
ホルモン補充療法を行うと、ほてりや疲れやすい、イライラしやすい、記憶力の低下、筋力の低下などの症状を改善することができます。
個人差はありますがホルモン補充療法を始めて3カ月~4か月ほどで効果を実感でき、2年以内に治療が不要になる方もいます。
しかし、前立腺がんや前立腺肥大の方はこの治療を受けることができません。
かかる費用は、初診で5,000円程度、2回目以降は、2,000円程度かかるのが一般的のようですが気になる方は病院に確認してみるといいでしょう。
そして、このホルモン補充療法は効果もありますが副作用もあります。
ホルモン補充療法の副作用
〇多血症(赤血球の値が上昇する)
〇肝機能の異常
〇前立腺がんが現れる
〇ニキビができる
ホルモン補充療法にはこういった副作用もありますので、治療中は血液検査や検尿をして副作用がでていないかのチェックも行います。
男性更年期障害の治療法②漢方療法
漢方療法は、更年期障害の症状がでていてもテストテロンの値がそれほど低くない場合に適用されます。(場合によってはホルモン補充療法と併用させることもあります)
漢方療法は、複数の症状に効き効果も高く、ホルモン補充療法に比べ副作用や体への負担が少ないのが特徴です。
男性更年期障害の治療には以下の漢方がよく使用されます。
〇八地味黄丸・・・男性更年期障害の治療にもっともよく使われ、疲れやすい、体が冷える、下半身が虚弱等の症状がある方に処方されます。
〇六味丸・・・排尿困難、頻尿、手足のほてり等の症状がある方に処方されます。
〇補中益気湯・・・虚弱体質や胃腸の働きが衰えている等の症状がある方に処方されます。
〇桂枝加竜骨牡蠣湯・・・ノイローゼや不安、すぐに悩んでしまう等の症状がある方に処方されます。
〇柴胡加竜骨牡蛎湯・・・不眠、精神不安、めまい、イライラ等の症状がある方に処方されます。
ただし、漢方を服用する際には自己判断で服用せず、医師から処方してもらい服用するようにしましょう。
頻尿かも? と思う方はこちらの記事も参考にしてみてください。
テストテロンを減少させないためには
男性更年期障害の原因であるテストテロンの減少を止めるには日々の暮らしの中でどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
テストテロンを減少させない方法①ストレスをため込まない、発散法を見つける
ストレスをため込むと血圧や血糖値が上がりテストテロンの分泌量が減少してしまいます。
しかし、現代社会で働く男性は日々過剰なストレスにさらされていますのでストレスをため込まないという事は難しいと思います。
ですから、1人でいる時間を作る、趣味を見つける、今の気持ちを紙に書き出してみるなど無理せず自分に合ったストレス発散法を見つけてみましょう。
テストテロンを減少させない方法②食事
更年期障害になってしまうと太りやすくなってしまいます。
肥満は男性ホルモンのテストテロンの働きを妨げ、更年期障害の症状を悪化させてしまいますので食事は腹八分目を意識して日ごろの食事を見直すことから始めてみましょう。
<テストテロンの活性化が期待される食材>
卵、キャベツ、生の玉ねぎ(苦手な方は火を通しても)、ニラ、山芋、オクラ、なめこ、赤身の牛肉、牡蠣、しじみ
テストテロンを減少させない方法③睡眠
テストテロンは1日の中で睡眠中にもっとも多く分泌されますので質の良い睡眠をとることもテストテロンを減少させないためにとても重要です。
毎日同じ時間に寝るようにして、寝る前はできるだけテレビ、スマホ、PCを見るのを避けましょう。
また、入浴は寝る2時間前には済ませ、喫煙やアルコールもできるだけ控えるようにしましょう。
そして、朝起きたら太陽の光を浴び体内時計をリセットさせましょう。
テストテロンを減少させない方法④軽い運動
テストテロンは、腹筋、背筋、腕立て伏せなどの筋トレやストレッチ、ウォーキングなどの軽い運動で筋肉を刺激しても活性化します。
また、運動することでテストテロンの減少に繋がるストレスも発散させることができます。
運動する習慣がない方は、ストレッチだけでもいいので軽い運動を1日の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
男性更年期障害の原因や治療法などをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
実際自分が更年期障害だと診断されても「理解してもらえるのか?」と不安になり中々人には言いづらいものですよね。
しかし、無理して理解してもらおうと思ったり、知ってもらおうと思うとさらに心の負担が重くなってしまうかもしれません。
更年期障害だと診断されたら、まずは自分で認め、病気を理解するだけでも心の負担は軽くなるのではないでしょうか。
そして、苦しいときは我慢したり身体の不調を歳のせいにせず1度病院で診てもらうだけでも気持ちが楽になるはずですよ。